牝馬に実力 有馬波乱の予感も

牝馬に実力 有馬波乱の予感も

 中央競馬の1年を締めくくる有馬記念(GI、2500メートル)は、28日に中山競馬場で行われる。25日には枠順が発表され、昨年の勝ち馬、マツリダゴッホは〔6〕枠(10)番、牝馬ダイワスカーレットは〔8〕枠(13)番、メイショウサムソンは〔6〕枠(9)番、ジャパンカップを制したスクリーンヒーローは〔5〕枠(8)番に入った。ファン投票1位のウオッカなどは出走を回避したが、この一戦で年度代表馬が決まる可能性があるほか、37年ぶりに牝馬が制するかにも注目が集まる。


 >年度代表馬は 


 過去5年で有馬記念馬3頭が年度代表馬に選出されている。今年は混戦模様だが、有馬に勝てば大きくアピールできる。

 安田記念天皇賞・秋とGI2勝したウオッカが最有力候補。有馬のファン投票でも1位に選出されて人気、実績ともに申し分ない。有馬は回避したが、ディープスカイもGI2勝のほかジャパンC2着、天皇賞・秋3着と印象はいい。

 有馬出走馬ではジャパンCを勝ったスクリーンヒーローは有馬を制すれば十分、逆転は可能。ただ、有馬で引退するGI4勝のメイショウサムソン、過去4頭しかいない連覇に挑むマツリダゴッホは今年のGI未勝利だけに、勝っても微妙だ。


 >SS産駒の連覇は 


 2002年に死んだ大種牡馬サンデーサイレンスが13年間守り続けたリーディングサイヤーの座だが、43勝の今年の実績では陥落が確定的だ。初年度からの連続GI制覇も今のところ未勝利で14年連続で止まる危機にある。

 04年から4連勝中の有馬にはラスト世代のマツリダゴッホが出走。10戦7勝と中山競馬場を得意とし、国枝調教師は「グランプリホースとして、この1年を戦い抜いた。体調も文句ないので頑張るはず」と自信をのぞかせる。

 牝馬に実力馬がそろったことも特徴。牝馬は今年、牡・牝馬混合GIで年間最多の4勝を挙げた。天皇賞・秋2着のダイワスカーレット、GI2勝のカワカミプリンセスが出走するが、牝馬の制覇は1971年のトウメイまでさかのぼらなければならない。ファン投票1位が出走しなかったのはくしくも今年と同じ条件で、波乱の予感だ。


 >売り上げ回復は 


 中央競馬の売上高はここ10年連続で前年を下回る。今年は昨年とほぼ同じペースで推移しているが、有馬記念の結果が売上高を左右しそうだ。

 今年は夏場以降、シェアを拡大しつつある3連単を全レースで発売。じり貧だった売り上げは回復基調をたどっている。JRAでは「経営目標として(売上高を)百パーセントに乗せることを目標にしている」(広報)と有馬の売り上げに期待している。