ローズキングダムにかかる期待

ローズキングダムにかかる期待

G1初勝利が「バラ一族」の悲願 

 新馬東京スポーツ杯2歳Sを連勝。無傷の2歳王者を狙うローズキングダムは、“バラ一族”期待の新星だ。この血統を数多く手がける橋口弘次郎調教師(64)の夢は、まだない一族のG1勝利。トレーナーと固いきずなで結ばれている主戦・小牧太騎手(42)のJRA重賞初勝利も、母ローズバドだった。2人はスクラムを組んで、まっしぐらに来春のダービーへ押し進む。

 “バラ一族”と呼ばれるのは、フランスから輸入された繁殖牝馬ローザネイから派生している。橋口調教師は重賞76勝のうち、15勝をこの一族でマーク。G1でも好成績を残しているが、不思議と勝利はない。

 「引退するまでに、この一族でG1を勝ちたいというのが夢。朝日杯にしたのは、それもあるかもしれないね」と笑う。勝負根性は母ローズバド譲り。「頭差で2歳Sを制した。いい勝負根性は母親似。身のこなしが柔らかいのも同じ」と評価する。

 一族の特長は、切れる末脚。追い込みを得意とした馬が多かったが、この馬はひと味違う。自在性があり、前に行けるのが強みだ。

 小牧にとっても、縁が深い一族。自身のJRA初重賞制覇は、ローズバド(01年報知杯FR)で達成した。そのローズバドが産んだのが、ローズキングダムだ。「お母さんは気性がうるさかったけど、この馬はイレ込みそうでイレ込まない。ゲートもいいしね」。一族の中でも屈指の完成度で、G1制覇を目指す。