ブエナ勝負服盗みネット出品

ブエナ勝負服盗みネット出品

パート店員男を逮捕

 安藤勝己騎手(49)が着用していた勝負服(3万円相当)を盗んだとして滋賀県警草津署は6日、窃盗容疑で名古屋市名東区の男を逮捕した。勝負服はインターネットのオークションに出品され13万円で落札されたが、落札者が再出品したことで発覚。最終的に20万円の値が付いた。

 逮捕されたのはパート店員石沢雄一容疑者(39)。

 逮捕容疑は、09年4月下旬、京都市伏見区京都競馬場で、日本中央競馬会(JRA)の松田博資(ひろよし)調教師(63)が所有する勝負服1着を盗んだ疑い。

 草津署によると、この勝負服は牝馬クラシック2冠のブエナビスタが昨年3月のチューリップ賞(G3)で優勝した際に、安藤騎手が着ていた物で、馬主がブエナビスタを管理する松田調教師に贈っていた。

 石沢容疑者は昨年4月、勝負服をネットのオークションに「ブエナビスタの騎手が着ていた服」と明記し出品。13万円で落札した大阪市の男性が同6月に再び出品し、佐賀県の男性が20万円で落札した。2回目の出品で松田調教師が気付き、同7月に草津署に届けた。同調教師は勝負服の盗難に気が付かなかったという。

 石沢容疑者は競馬好きで、京都競馬場にもたびたび足を運んでいた。調べに対し「売るために盗んだ」と容疑を認めている。「当日レースがすべて終わった後に忍び込んだ。どの部屋から盗んだかは分からない」などとも話しているという。

 松田調教師は、07年の年度代表馬アドマイヤムーンを管理するなど、G1・12勝を挙げている。関係者によると、中央競馬で使用された勝負服は市場に出回ることはめったになく、ファンにとっては垂ぜんの逸品だという。捜査関係者は「競馬好きだけに勝負服の価値を十分に知っての犯行だろう。行き過ぎたファンにも困ったものだ」とあきれ顔だった。