ジェネラーレ得意の条件!!

中山で,活躍を再び!!

 初重賞勝ちを今回と同じ中山芝2500メートルの日経賞で挙げているウインジェネラーレは、得意の条件で一発を狙う。国枝師も「走り自体は中山が1番だね。距離とかもすべていい。何せ(ゼンノ)ロブロイを破っているから」とニヤリ。使いながら状態も少しずつ上向き。「ただ、寒くなるとちょっと太くなる傾向にあるから、そのあたりがどうかだね」と馬体重を気にしていた。





岩田デルタ強気「逆転できる」

 打倒ディープインパクトに豪G1馬デルタブルース(牡5、栗東・角居)が力強く名乗りを上げた。20日、栗東トレセン有馬記念(G1、芝2500メートル、24=中山)の追い切りに騎乗した岩田康誠騎手(32)は絶好調を確信。「逆転」の2文字を口にした。菊花賞メルボルンCと同様、積極策で勝負する。なお、注目の枠順は21日に発表され、馬券は22日から前々日発売される。

 決して口数は多くない岩田から、強気の弁が聞かれた。「ディープは強い馬だけど、レースは何が起こるか分からない。持ち味を生かせれば逆転できる」。デルタブルースの好調を確信したからこそ飛び出した打倒宣言。オーストラリア伝統のメルボルンCを制した自負がある。相手が強いほど燃える勝負師の魂に火が付いた。

 最終追い切りはCウッドコースで3頭併せ。先行したクルサード(2歳500万)の2番手を追走し、直線はポップロック(5歳オープン)との間に挟まれる形。闘志をむき出しにして抜け出そうとする相棒を岩田が懸命になだめ、力を余したまま首差先着した。角居流の調教で5ハロン71秒9−55秒7−41秒0−12秒2(馬なり)と時計は遅いが、本番用のエネルギーを十分にためた調教。「道中行きたがって直線も走りたがっていた。すごく状態がいい。前走以上」と太鼓判を押した。

 豪州遠征から帰国する際、暑いシンガポール経由で状態面が心配されたが、体調を崩すことなく検疫先の京都競馬場で2本、栗東で3本の時計を出せた。岩田の言葉からも遠征の疲労はなく、むしろ馬にやる気が満ちあふれている。

 これまで6勝のうち5勝を2400メートル以上で挙げた生粋のステイヤー。上がりの瞬発力争いでは見劣るから、持久力勝負に持ち込みたい。4角2番手から抜け出した菊花賞や、4角先頭から押し切ったメルボルンCのように、自分から動いてライバルに脚を使わせる戦法が十八番。もちろんどちらのレースの手綱も握ったジョッキーは心得ている。「距離が長ければ長いほど乗りやすい馬。積極的に運びたい」と先行策を明言した。

 馬は有馬3年連続参戦、人は初挑戦。3歳時はボニヤで5着(4番人気)、4歳時はペリエで11着(3番人気)と人気を裏切った。特に昨年は中団のまま見せ場さえつくれなかった。「JRA所属になった最初の年。いい形で締めくくりたい」と気合を込めた岩田は、夢を追って、愛馬を追う。




メジャー世紀の番狂わせへ変身

 ダイワメジャー(牡5、上原)も飛んだ! 美浦ウッドコースで追われた最終追い切りは、5ハロン65秒1、しまい12秒6。パワフルな走りを封印。軽やかに直線を駆け抜けた。宝塚記念以来2度目の怪物との対戦で、秋G1連勝の勢いを見せつける。

 ダイワメジャーに騎乗した飯田助手の口から思わずこんな言葉がついて出た。「跳びが大きくて、軽く飛んでいる感じ」。あまりの乗り心地の良さに、ディープインパクトの代名詞ともいえる「飛ぶ」という言葉が飛び出した。

 スタートからゴールまで乗り役はほとんどつかまったまま。人馬の息はぴったり合い、水面を滑るようになめらかに加速。チップをつかみ、蹴散らすパワーは封印。ゴール前100メートルで、スーッと伸びた。5ハロン65秒1、ラスト1ハロン12秒6。上原博之師(49)も「流れるようなフットワークだったね」と目を細めた。

 有馬記念参戦までの過程について、上原師は「前走(マイルCS)後、10日ほど状態を見て問題ないと判断して出走を決めた」と語った。出来は安定していたが、メジャーにとって2500メートルは初めて。距離への対応が鍵だった。上原師は「普段の運動、キャンターから、意識して長めをこなすようにしている」と語る。1週前も追い切りは馬なり。強い調教は行わず距離を乗ることを心がけた。

 精神的に大人になり、我慢することができるようになったことも大きい。以前は、全休日、またその翌日は有り余ったパワーを発散させるため砂浴び(砂の地面に体をこすりつける。リラックス効果があるといわれている)をさせることが多かったが、今はやってない。ガス抜きをしなくても気持ちをコントロールできるからだ。大場厩務員は「去年あたりからだいぶ落ち着いて、砂場にも入れなくなった」と語る。調教時間にしてもそう。上原師は「馬がそろそろ飽きてきたかなと思っても、もう少しやらせた。気持ちも我慢が利くようになった」。精神的なゆとりが、「重」から「軽」へ走りを変えた。

 ディープインパクトとは宝塚記念(4着)以来2度目の対戦。「あのころと比べたら状態ははるかにいい。引退前に戦えるのはいいチャンス。厩舎としても期待して仕上げた」とトレーナー。怪物退治へ態勢は整った。




ドリーム2週連続びっしり

 強い3歳世代のドリームパスポートが、疲労残りを心配する声を吹き飛ばした。この秋は神戸新聞杯1着、菊花賞2着、ジャパンC2着と常に目いっぱいの競馬をしているが、先週に続いて長めから追われ、好調キープをアピールした。Dウッド単走で6ハロン84秒2−12秒5(直線追う)。松田博師は「大して変わらない。丈夫が何より」と手短に締めた。

 デビューから12戦【3 6 3 0】。父がフジキセキマイラーと見られがちだが、調教でもゴールを過ぎてから加速するなどステイヤーの資質は備えている。高田騎手は「目に見えない疲れはあるかもしれないけれど、乗った限りでは感じない。力を付けているしいい勝負になる」。ベストの仕上げで内田博にバトンを渡す。



スイープ水曜追い成功

 紅一点スイープトウショウが水曜追いを敢行した。木曜に追うプランもあったが、調教拒否の常連だけに万が一に備えて1日早く追われた。陣営は2歳未勝利馬のスリジェをパートナーにつけ、馬が嫌気を出し始めた坂路をやめてDウッドコースを使用する工夫を施し、調教拒否防止に努めた。そのかいあって、地下道で立ち止まった時間は約5分。コースに出ると、すんなりあん上の指示に従いスタートした。早々とリードホースを置き去りにして5ハロン66秒2、39秒0−12秒5(いっぱい)をマーク。手綱を取った山田助手は「具合はまずまず。落ちた感じはない」と話した。

 調教を見守った池添騎手は、初めての有馬挑戦に力が入る。「見た感じは前走よりもいい。いつもあっと言わせてくれる馬だから、信頼は揺るがない。ディープと戦うのは最初で最後。乗る以上は負かしたい」と一発を狙っていた。



サムソン疲れ知らずハードトレ

 2冠馬メイショウサムソンが、ハードトレを克服した。石橋守騎手を背にしたDウッドでの最終リハ。単走でしっかり攻めた。6ハロン81秒8。ラストもきっちり追って12秒3。主戦の感触も「先週の反応は抜群だったが、今週も良かった」。1周2063メートルのDウッドコースを毎日2周。並の馬なら音を上げるハード調教を課しながらも、サムソンは疲れを知らない。迫力ある動きは健在だった。

 追い切り後の計量では約6キロのクラをつけて532キロ。「やることをやっての体重。気にしていない」(石橋守)。厳しい調教を積んでの馬体増なら不安はない。不完全燃焼に終わった秋3戦。2冠を勝ち取った積極策で復活を狙う。




インパクト生涯最終追い猛時計

 ディープインパクト(牡4、栗東池江泰郎)が最終章へ向けて完ぺきな走りを見せた。Dウッドコースで武豊騎手(37)を背に単走。びっしりと追われる気合のパフォーマンスで6ハロン79秒0、ラスト1ハロン12秒8の好時計をマークし、出走態勢を整えた。

 ラストランを前にしてもディープインパクトは、さらなる進化を続けている。軽快なリズムに乗せたフットワークでラップを刻む。あん上の武豊騎手は、この日を含めてあと2回しかない騎乗機会をじっくりと楽しんだ。小刻みに揺れる手綱越しの会話を続け、ラスト1ハロンの手前で大きく手綱を前後させた。ゴーサインにすかさず反応したインパクトは、体を伸縮させゴールを目指す。併走パートナーを置かなくても、最後まで集中した走りでゴール板を過ぎた。

 6ハロン79秒0、ラスト1ハロン12秒8。ウッドコースは霜が降りて上滑りする馬場だった。それでも武は慎重を期すことなく、びっしりと手綱をしごいた。ラスト50メートルでは左の肩ムチを入れて攻め抜いた。武は「最後なので味わって乗った。動きはすごく良かった。ジャパンCの後も順調で、体調の良さを感じた。前走よりも落ち着いているし、気分的に楽なんじゃないかな。折り合いもついたし、安定した状態をキープしている」と笑顔を見せた。

 1番時計はやや内めを回った他厩舎の馬に譲ったが、大外を周回してのタイムだけに価値がある。涼しい顔で猛時計をたたき出した。「こういう馬に出会えて、乗ることができて幸せ。ディープ中心の2年間だった。悔いを残さないような走りをさせたい」(武)。インパクトが史上最強馬であることは、ほかの誰よりも武自身が強く思うことだ。無敗3冠、有馬記念の敗戦、ロンシャンの悲劇。濃縮された2年間の思いを胸に、最高のパートナーと2分半の旅を楽しむつもりだ。「ディープからは楽しさ、面白さ、難しさ、怖さなど、いろいろ教わってきた。デビュー戦から衝撃の連続だったが、今回はそれを上回れるように期待している」。ジャパンCの前に、名手は「今までうまく乗れたのは新馬戦、ダービー、阪神大賞典宝塚記念くらいかな」と振り返った。パーフェクトだったジャパンCも、ここに加えられたはず。秘めたるパワーを解き放す瞬間さえ誤らなければ、勝利は間違いない。

 何度も重圧をはね返してきた不世出の名馬は、勝利という形で伝説を完結させる。ファン投票で集めた票数は12万。実際にインパクトに向けられる目は、何十倍にも及ぶだろう。その夢を一身に受け、インパクトは最後の戦いへと向かう。




ラジオNIKKEI杯>


マースが3カ月ぶり実戦

 阪神メーンのラジオNIKKEI杯2歳S(G3、芝2000メートル、23日)で、札幌2歳Sの覇者ナムラマース(牡、栗東・福島信)が3カ月ぶりの実戦を迎える。距離1800メートルを主戦場にしてから目下3連勝中。来春のクラシックも見据える素質馬は、2000メートル戦でさらなる白星を狙う。

 2歳王者決定戦の朝日杯FS(G1、芝1600メートル)には見向きもしなかった。「距離を長くして結果が出ていたし、忙しい競馬よりこの距離の方が合う」。福島信師は予定通りの調整に笑みを浮かべる。今回は、クラシックを目指すライバルが多数参戦する。「ここでいい競馬をするようなら、意識しないわけにはいかんでしょ」。福島信師は春につながる内容を期待していた。