重賞史上最高配当の3連単973万!

重賞史上最高配当の3連単973万!

 爆穴続きの春G1で、ついにJRA重賞史上最高配当が飛び出した。単勝17番人気ピンクカメオ(牝、国枝)が勝ち、1番人気ローレルゲレイロが2着。3着には最低人気ムラマサノヨートーが突っ込み、3連単は973万9870円と空前の大波乱を呼んだ。大井の内田博幸騎手(36)は、悲願の中央G1初勝利を達成。地方所属ジョッキーとして3人目の快挙と、愛馬の予想を上回る快走に驚きを隠せなかった。
 ゴール手前で思わず右手のステッキを突き上げた、内田博騎手にとって、ここが23回目の中央G1挑戦。地方所属騎手としては菅原勲、岩田康に続いて3人目の快挙を、17番人気を駆ってのド派手なパフォーマンスで成し遂げた。内田博は「まさか勝てるとは…。馬を褒めてあげてください」と愛馬をねぎらった。
 06年には地方と中央を合わせて通算524勝の金字塔を打ち立て、元騎手・佐々木竹見氏の最高記録(505勝)を塗り替えた。常に競馬界の活性化を考えながら、寸暇を惜しんで馬に乗り続けてきた男が、またしても偉業を達成。「毎年400、500と勝つことは、なかなかできない。去年はチャンスだと思っていた。常に目標がないと。次は中央G1と思っていたけど、クラシック制覇も目指したい。ヒーローインタビューでは『ダービー』って言っちゃったんだけど」と笑顔で満足感に浸った。
 中央への移籍がささやかれるが、まだしばらくは所属の大井をはじめとする南関東競馬への寄与に重点を置くつもりだ。「『大井の内田』って言われれば大井競馬の宣伝になる。自分を育ててくれた場所だし、馬は機械じゃないからね」。
 内田博は東京の大田区、品川区、地元・久留米市の施設に寄付を続けている。「自ら言うことではないけど、自分だけが稼げればいいわけじゃない。仕事をしたくても、できない人がいる。社会人として、できるだけのことをしてあげたいから」。この日の活躍は、声援を送ってくれる人々への最高のエールとなった。