サムソン武豊とのコンビで凱旋門決定

サムソン武豊とのコンビで凱旋門決定

クラシック2冠と今年の天皇賞(春)を制したメイショウサムソン(牡4、栗東・高橋成)が、武豊騎手(38)との新コンビで凱旋門賞(仏G1、芝2400メートル、10月7日=ロンシャン)へ挑戦することが正式に決定した。28日、オーナーの松本好雄氏(69)が明らかにした。前哨戦のフォワ賞(仏G2、芝2400メートル、9月16日=ロンシャン)への参戦も有力。海外を知り尽くした名手の強力な援護を得て、サムソンが世界制覇へのスタートを切る。
 メイショウサムソン凱旋門賞挑戦が正式に決定した。しかも、あん上は日本競馬界の第一人者・武豊騎手。松本オーナーは「(宝塚記念は)2着だったとはいえ内容が良かった。その後も馬の状態はいいと聞いているし、1度チャレンジしたいと思っていたレースだから」と決意を述べた。
 サムソンは今春、天皇賞を制してG1・3勝目をマーク。宝塚記念こそアドマイヤムーンに敗れたが、超豪華メンバーの中で十分に力を見せた。昨年の皐月賞、ダービーの2冠制覇など、これまでのあん上はすべて石橋守。既に両騎手同席のもとで方針を伝えている松本オーナーは、今回の交代について「ユタカ君は経験豊富だし、欧州にも精通している。石橋君には非常に厳しいが、凱旋門賞には最高の乗り役を用意して向かいたかった」と説明した。
 スケジュールは今後検討されるが、ステップレースとして凱旋門賞と同コースで同距離のフォワ賞に出走する予定。約3カ月半の間隔があるため、ひとたたきして臨むことになる。
 凱旋門賞といえば昨年、武がディープインパクトが挑戦したが3着、後に失格に終わった。過去85回の歴史の中で、欧州馬以外の勝利がないという厚い壁。ただ、武には同レースのみならず欧州での豊富な騎乗実績がある。また、サムソンには父が93年欧州最優秀古馬のオペラハウス、母の父が80年代欧州最強馬で86年の凱旋門賞を勝ったダンシングブレーヴという「血統的な楽しみ」(同オーナー)がある。歴史を変える可能性は決して低くない。
 サムソンは27日に坂路調教を再開し、順調に態勢を整えている。管理する高橋成忠調教師(66)は「いつゴーサインが出てもいい状態にある」と、前走後の愛馬の状態に太鼓判を押していた。そして、ついにそのゴーサインが出た。強力なパートナーも得たサムソンが、日本競馬界の悲願達成へと突き進む。