旭川競馬場を廃止 道営全廃も

旭川競馬場を廃止 道営全廃も

 道営ホッカイドウ競馬の経営健全化を検討していた北海道は、08年度限りで旭川競馬場旭川市)での開催をやめる方針を固めた。これに合わせて、運営母体の道競馬事務所(札幌市)も廃止し、09年度に道軽種馬振興公社(同)を母体とする新しい公社を日高管内日高町に設立する。10年度の収支均衡を目標にしており、達成できなければ11年度に道営競馬を全廃する。7日に開催される道地方競馬運営委員会に、これらの方針を盛り込んだ「北海道競馬改革ビジョン素案」を提出する。
 道は旭川開催の廃止で、同競馬場を所有するJA上川生産連(旭川市)への使用料支払い、調教の拠点である門別競馬場日高管内日高町)からの馬の輸送費など計2億円の経費節減を見込む。
 道営競馬は今年度、旭川で63日、門別で10日、札幌競馬場(札幌市)で13日開催する計画。09年度以降は旭川開催分を門別に振り替える方針で、ナイター設備も設置する。収容人員は旭川4000人、門別800人と集客が課題だが、旭川で販売される馬券が全体に占める割合は6%程度のため、影響は小さいと判断した。組織改編に伴い、競走馬生産が盛んな日高管内自治体や生産者組合に出資を求めるほか、道競馬事務所(17人)、同振興公社(34人)の職員も削減する。
 道営競馬は48(昭和23)年に創設され、旭川開催も同年に始まった。かつては収益を一般会計に繰り入れるなど道財政に貢献したが、レジャーの多様化、パチンコなどとの競合で発売額は91年度の454億円をピークに低迷。92年度から15年連続で単年度赤字を計上している。06年度末の累積赤字は226億円。
 01年度からは簡易場外馬券販売所「aiba」の開設やインターネット販売、関東地方での販売拡充など経営再建に取り組み、03年度から発売額は反転。道は05年、08年度までに単年度赤字を05年度(14億9000万円)の半額にすることを条件として存続を決めた。正念場の今年度は発売額目標を06年度の10%増(131億6800万円)に設定。馬インフルエンザによる3日間の開催中止を除けば、発売額は計画比96.6%、対前年度比104%と堅調だ。
 旭川市西川将人市長は「突然の話で驚いている。市の経済や雇用への影響はかなりある。『ばんえい(競馬)』に続く撤退となれば、旭川から馬の文化がなくなる。非常に残念だ」と話した。