シンボリグランがデムーロと返り咲く!

シンボリグランがデムーロと返り咲く!

 高齢馬旋風が吹き荒れる競馬界。スプリントG1を見据える京都メーン「第15回シルクロードS」では8歳馬シンボリグランが“反世代交代”の旗頭だ。昨秋の京阪杯(4着)は58キロを背負って、健在ぶりをアピール。自慢の末脚は衰え知らず。絶好調・デムーロを再びコンビに迎え、G1戦線返り咲きの復活Vを狙う。

 貴乃花親方の当選で新風が吹いた角界とは対照的?わが競馬界は「おじさん」が今年も大活躍。8歳を迎えたシンボリグランは悲願のG1を夢見て始動だ。昨秋の京阪杯(4着)は58キロの酷量で、プレミアムボックスとわずか0秒2差。往年の力は衰えてない。

 畠山吉師は迷わず、今年の初戦をシルクロードSに定めた。同じ京都芝1200メートル。同じハンデ戦だった2走前の京洛S(7着)は54キロ。据え置きの54キロは思惑通りだ。

 「この後、別定戦のオーシャンS(3月6日)もあるけど、ハンデのここならまず重くならないと狙っていた。で、放牧から早く帰厩させ、調教も十分積んだ。ここ2週もこの馬らしい時計が出てますからね」

 2週前の1月21日が坂路で4F49秒6、28日は50秒4と2週連続で一番時計をマーク。美浦が誇る坂路横綱の面目躍如だ。

 今回は久々にデムーロとのコンビが復活。思えば、1番人気に推された4年前の06年高松宮記念(6着)以来。グランが一番輝いていた時期だ。「あの時は出遅れてしまってね。でもミルコ(デムーロ)も、もう忘れているでしょ。京阪杯の上位馬とは重量面で楽になるし、2走前の京洛Sにしてもポジションを下げる不利がありながら、ゴールではエイシンタイガーのお尻がすぐ前(0秒2差)にあった。スプリント路線は抜けた馬がいないし、十分やれるはず」。指揮官のボルテージは上がる一方だ。

 ディープインパクト世代の生き残り。ヴァーミリアン川崎記念でG1・9勝目の金字塔。トウカイトリックは万葉S優勝、シャドウゲイトはAJC杯2着と、同期8歳は年始から爆走中だ。「高松宮記念?ここで結果が出て、そうなればいいですね。衰えはないし、楽しみにしてます」。勝てば、3歳時の05年CBC賞以来の重賞V。“グランおじさん”の夢はまだ終わらない。