ヴィクトワール、5連勝で決める

 天井知らずの勢いで“1冠”を射止める。ヴィクトワールピサが14日、栗東CWで軽快な動きで、さらなる上昇をアピールした。朝一番の栗東CWで3頭併せ。前にトパンガ(4歳1000万下)、後ろにレッドバリオス(3歳500万下)と両馬に挟まれる形でスタート。直線入り口で馬体を併せて自らハミを取ると、2頭の真ん中を駆け抜けた。
 時計は馬なりで5F69秒6‐39秒6‐12秒4。内のレッドとは併入、外のトパンガには1馬身の先着だったが、ゴール板を過ぎてからもビシッと追われる“角居流”でリハを締めた。「速い時計ではなく、しっかりと負荷をかけるように。変わりなく順調。(体重の)重い助手で追い切ったのは行き過ぎないように、ためる調教をやっておきたかったから」と角居師は説明した。
 ステップレースの前走は道悪や初の輸送を克服し、重賞Vを手にした。「たくさん課題があるなかでうまくクリアしてくれた。乗り手の言うことを聞いて、課題をクリアする頭の良さがある」。まさに天才肌だ。指揮官はセンスあふれるその姿に胸を張る。
 主戦を務めていた武豊の負傷により、岩田がそのバトンを受けた。1週前追い切りが初のコンタクトだった。「すごくいい馬が回ってきた。どっしりとしていて乗りやすい。一緒に戦って強さは分かっている」。相棒のしびれるような乗り心地を絶賛する。
 中山2000メートルは過去に実績馬を苦しめてきた難コース。昨年アンライバルドで勝っている岩田もそれを熟知している。「小回りで乗り難しいけど、この馬はどんなレースでもできる。この馬の力を信じて乗れば結果はついてくる」。頂点獲りへ‐。自信に満ちあふれた人馬に立ちはだかるものはない。