スピリタス 豪脚で重賞初Vだ!

 夏のマイル王を決める関屋記念(8日、新潟)にスピリタスが出走する。重賞初挑戦になるが、前走は安田記念・G1と同タイムで快勝。ここ10戦連続で1番人気に支持されてきた素質馬が、一気にスターダムにのし上がるか注目だ。一方、函館では、2歳戦初の重賞、函館2歳S(8日)が行われる。今年、新装された同競馬場での最初の新馬戦を勝ち上がった牝馬、ルリニガナは、新種牡馬スニッツェルの産駒。好仕上がりを見せており、管理する伊藤大士調教師(37)=美浦=ともども人馬初の重賞Vがかかる。

 5歳夏を迎えて、ようやくたどり着いた重賞の舞台。素質馬スピリタスが夏の新潟で初タイトルを狙う。「秋に向けて除外のないように、狙ったところに使えるようにしたい。重賞を狙っていきたい」と岡田調教師。重賞初挑戦となるが、きっちりと賞金を加算する気構えをみせた。

 陣営が強気になるのは当然かもしれない。前走の湘南Sは1600万のレベルをはるかに越える驚きのタイムだった。1分31秒7は翌日の安田記念の勝ち時計と同タイムで、コースレコードと0秒3差。単純比較はできないが、安田記念の2着が1分31秒8。出走していれば首位争いをしていたことになる。「前走であれほどのスピードを見せてくれたからね。成長している。やっと良くなってきたね」とトレーナーは愛馬の成長に目を細める。

 時計だけでなく内容も優秀だった。レースの上がりが34秒2の前残りの展開。それでも直線で馬場の真ん中に持ち出されると、そこからエンジンの違いを見せつけた。上がり3ハロン33秒1の究極の末脚を駆使して差し切り勝ち。09年7月から9戦連続で1番人気に推され6連敗中だったが、完全に詰めの甘さも払拭(ふっしょく)した。

 コース、条件も重賞制覇を後押しする。前走の東京と似た直線の長い左回りのマイル。先週の1000万特別でも1分32秒1の時計が出た新潟の高速馬場は歓迎だ。「長い直線でタメていければ。自分のペースで行って、いいところでスパートできればいいね」と岡田調教師。G1級の能力を秘めた素質馬が自らの豪脚で、秋につながる大きな勝利を手に入れられるか。

 >連続1番人気 スピリタスは前走まで10戦連続1番人気を継続中。現役では、ダイワディライト(牡6歳、二ノ宮厩舎)、ジャンバルジャン(牡6歳、萩原厩舎)の14戦が最高(ともにストップ)。過去の記録は、15戦連続のテイエムオペラオー。4歳初戦の00年京都記念(1着)から引退レースの01年有馬記念(5着)まで1番人気に支持された。ディープインパクトはデビューから引退レースまで国内13戦全てで1番人気(凱旋門賞は除く)だった。