ルリニガナ、伊藤大厩舎初重賞へ絶好調

 函館では、2歳戦初の重賞、函館2歳S(8日)が行われる。今年、新装された同競馬場での最初の新馬戦を勝ち上がった牝馬、ルリニガナは、新種牡馬スニッツェルの産駒。好仕上がりを見せており、管理する伊藤大士調教師(37)=美浦=ともども人馬初の重賞Vがかかる。

 新装函館の開幕を飾った6月19日のデビュー戦から1か月半。ルリニガナは短期放牧を挟んで、7月上旬に帰厩。引き締まった馬体は、毛づやもピカピカだ。「滞在だから輸送を考えないでいいし、思い切って調教ができている。トモ(後肢)の張りや胸の筋肉がいい感じになっている」と宗像助手は満足げだ。

 2番手から、楽々と1馬身半差をつけた初戦は、万全の状態ではなかったという。「調教で動いてはいたけれど、函館に来て2、3週間での競馬。あと1、2本は追い切りをしたかった。そんな状況で、勝つんだから」。

 父スニッツェルは06年のオークリープレート・豪G1など重賞4勝を含め、短距離で7勝を挙げたスプリンター。今年の2歳世代が初産駒となる。その血脈は確実に受け継がれているようだ。「いいスピードを持っていて、気性は素直。冷静な面があるから、レースもしやすいと思うよ。体も弱いところがないし、レースが終わった後でも、カイバを与えるとペロリと平らげる」という。

 開業2年目の伊藤大厩舎は、昨年の函館2歳Sにカネスフォルテ(13着)と、バトルレッド(16着)で参戦。今年もイーグルカザンとの2頭出しで挑む。「ルリニガナは器用な馬で折り合いがつくから、1600メートルまでは大丈夫」と宗像助手。キク科の初夏に花をつける瑠璃苦菜から命名された同馬。『心は思いのままに』という花言葉の期待馬が、新鋭厩舎に待望の初タイトルをもたらすか。