武豊騎手 JRAの処分が決定

アドマイヤ2頭も参戦。

武豊騎手、JRAの処分が決定

 JRAは13日、現地時間6日に香・ハッピーバレー競馬場で行われた第7競走の騎乗に関し、香港ジョッキークラブ裁決委員より、06年12月25日から07年1月17日まで騎乗停止処分を受けた問題で、JRAでの処分内容を発表した。

 JRAによると、裁定委員会の議定により、日本中央競馬会競馬施行規程第126条第18号に基づき、06年12月25日から07年1月17日まで、同騎手の騎乗を停止することとなった。期間内のJRA開催は1月6日、7日、8日、13日、14日の5日間で、中山金杯(GIII)、京都金杯(GIII)、ガーネットS(GIII)、シンザン記念(GIII)、京成杯(GIII)、日経新春杯(GII)などの重賞については騎乗不可能になる。




阪神C

英からの刺客の反撃に期待

 英国の刺客コートマスターピースは12日、阪神競馬場ペリエ騎手を背に最終追い切りを行う。この日はダートコースで軽めに乗られた。マイルCS7着は渋った馬場に持ち味を殺されたが、良馬場ならG1・2勝の実績が黙ってはいない。





シンボリグラン初代王者だ

 新設された阪神C(G2、芝1400メートル、17日=阪神)がG1の谷間をにぎわせる。G2の中でも最高額の1着賞金7000万円を目指して、フルゲート18頭に実に41頭が登録してきた。マイルCSの上位2頭が不在。3着シンボリグラン(牡4、畠山吉)に勝機が巡ってきた。

 札幌記念と並ぶスペシャルG2の初代王者を狙うには、まず18頭の枠に入らなければならない。出走できれば有力のキンシャサノキセキなどは賞金順23番目で除外対象。シンボリグランは悠々6番目で出走を確定させている。今年は7戦未勝利だが加算賞金の対象は1年前までだから、昨年12月24日のCBC賞1着の貯金が効いた。

 今年0勝でも、秋2戦はスワンS2着、マイルCS3着と連続好走し、リズムを取り戻している。前走先着を許したダイワメジャーダンスインザムードも不在だけに、チャンス十分。1週前の7日には坂路で50秒0−36秒5−24秒4−12秒6の好時計を馬なりで計時した。畠山吉宏師(44)は「リラックスして走れた。非常に順調ですね」と好調を確信する。

 昨年は重賞1勝、オープン2勝を含む5勝を挙げて本年の飛躍が期待されていた。ところが春はゲートの出が悪く、流れに乗れないレースが続いた。デムーロでも武豊でも結果が出ず、バトンを受けた柴山も悩まされた。変化が表れたのは函館スプリントS後の放牧から帰ってから。リフレッシュして、馬の気持ちに余裕が出てきた。スワンSもマイルCSもスタート互角でスムーズな競馬。柴山も完全に手の内に入れた。「乗り手の指示に従えるようになった」とトレーナーは精神面の成長を喜んだ。

 G1ホルダーはアサクサデンエン、オレハマッテルゼ、フサイチリシャール、英国馬コートマスターピースの4頭。これらを撃破すれば、混迷短距離戦線にニュースターが誕生する。





リシャールが復活目指す

 フサイチリシャール復権をかけて初のスプリント戦に挑む。昨年の朝日杯FSを勝った後、今年は8戦して未勝利。武蔵野S5着、JCダート13着に敗れて父クロフネほどのダート適性がなく、再び芝に活路を求めた。松田国師は「短い距離で見てみたい。今まではクラシックに合わせた条件を使ってきたが、これからは設定をどこに持っていくかを考えないといけない」と頭を悩ませた上で出走を決めた。

 「今回はチャレンジかもしれない」。マイル以上しか経験がないから、速いペースに対応できる保証はない。しかし、強い相手と戦ってきた経験と、3歳世代のレベルの高さはよりどころになる。先週の坂路で51秒7の好時計が出たように状態もいい。昨年の2歳王者のプライドがある。復活すれば、層の薄い短距離路線に活気が出てくる。




愛知杯

フジムスメが好仕上がり

 今週の中京土曜メーンは牝馬限定重賞・愛知杯(G3、芝2000メートル、16日)。秋華賞11着から巻き返しを期すニシノフジムスメ(牝3、栗東・藤原英)が、立て直され好仕上がりを見せている。藤原英師は「ローズSで頑張った分、前走は馬が耐えられなかったみたい。リフレッシュ放牧に出して、仕上がりはいい」と話した。ソリッドプラチナム(牝3、栗東田中章)も好ムード。「先週の追い切りの感じは良くなっている。中京もこの距離もあうし、ハンデもいいからね」と、田中章師は好レースを期待していた。





アダーラが巻き返す

 今週の中山メーンはフェアリーS(G3、芝1200メートル、17日)。メジロアダーラ(牝2、大久保洋)が距離短縮で巻き返しを狙う。前走の阪神JFは18着に敗れたが、明らかに距離が長かった。今回はカンナSを勝った得意のコースで一変があっていい。大久保洋師は「前走の敗因は距離だろう。ピッチ走法だけに1200メートルでも、普通の馬のマイル分ぐらい(脚は)回転しているかもしれない」と笑う。前半3ハロンを33秒台前半で走れるスピードが売りだ。ほとんどが1勝馬のここなら、圧勝があっても驚かない。





メイン&ムーン参戦決定

 有馬記念(G1、芝2500メートル、24日=中山)へのアドマイヤ軍団3頭出しが12日、決まった。アドマイヤムーン(牡3、栗東・松田博)、アドマイヤメイン(牡3、栗東・橋田)、アドマイヤフジ(牡4、同)の三本の矢でディープインパクトに挑む。

 香港ヴァーズで8着に敗れたアドマイヤメイン橋田満師(54)が、グランプリ参戦を表明した。「前向きに考えている。香港は追い切りも良かったし状態も悪くなかったから敗因がよく分からない。馬場が合わなかったとしか考えられない」と首をひねり、中1週で巻き返しを期す考えを示した。「力が付いてもっと頭を下げて走れるようになれば、上のクラスで活躍できる。成長する種馬(サンデーサイレンス)だから」と来年に向けた飛躍を期待した。

 また香港C2着と善戦したアドマイヤムーン松田博資師(60)も「使う」と明言した。2頭は12日朝に同便で香港から帰国し、成田空港から千葉県白井市競馬学校に移動。18日まで検疫を受けた後、中山競馬場に移って調整を行う。2頭ともジョッキーは発表されなかったが、すでに打診済みで確保されている。

 出走が決まっていたアドマイヤフジと合わせてアドマイヤ軍団は3頭出し。G1こそ2着までだが、合わせてG2・4勝、G3・3勝。メインが逃げてフジが差し、ムーンが追い込む3本の矢で、有馬記念を盛り上げる。




ダンスインザムード引退、繁殖入り

 10日の香港マイルで12着に終わったダンスインザムード(牝5=藤沢和)が引退、繁殖入りする。12日、藤沢和師が明らかにした。同馬は12日午前6時、成田着のCX006便で帰国。千葉県白井の競馬学校で輸入検疫に入ったが美浦トレセンには戻らず、宮城県山元トレセン経由で北海道千歳の社台ファームに向かう。来春、ドバイ遠征のプランもあったが、香港マイルがラストランとなった。

 ダンスインザムードはデビューから4連勝で04年桜花賞馬に輝き、その後も牡馬相手にG1戦線で互角の戦いを展開。今年のヴィクトリアマイルを制し、第1回女王の座に就いた。海外遠征も4度敢行。今年の米G3キャッシュコールマイルを圧勝した。藤沢和師は「初めてクラシックを勝たせてもらった。海外でも本当に頑張ってくれた。ご苦労さんと言いたい」と語った。通算25戦6勝。