フジ復活、最強世代の意地だ

意地を見せるか??

 有馬記念(G1、芝2500メートル、24日=中山)で11カ月ぶりに復帰するアドマイヤフジ(牡4、栗東・橋田)が1週前追い切りを行った。久々を感じさせない迫力満点の動きを披露。上位進出へ向け希望の光をともした。ディープインパクト世代の意地を見せる。
 アドマイヤフジが帰ってきた。1月の日経新春杯を勝って長距離路線での活躍が嘱望されたが、不運にもキ甲の骨折で長期休養を余儀なくされた。秋に帰厩。11月5日の初時計から坂路で15−15を含め11本の時計を出し、12本目となったこの日はCウッドコースでいっぱいに追われた。坂路よりも長い距離で追うことで、息をつくりやすくなる。
 6ハロンから単走で15秒6、14秒0とペースを上げ、前にいた他厩舎の2頭を目標に全力疾走に移ると、ラスト37秒6−12秒5でまとめた。福永祐一騎手(30)は「長めからいい追い切りができた。太め感はないし、1年あいている割にはいい仕上がり。反応も良かった」と好感触を得た様子。「今年期待していた馬だから、いい状態で戻ってきて良かった」と白い歯をこぼし、98年キングヘイロー6着、99年フサイチエアデール9着以来、7年ぶり3度目の参戦に心を躍らせた。
 05年クラシックを戦ったディープインパクト世代で、3冠戦は皐月賞5着、ダービー4着、菊花賞6着と健闘した。グランプリに出走する4歳馬は、6冠馬のほかはこの馬だけ。最強馬世代の生き残りとして意地を見せたい。有馬の鉄砲駆けといえば、93年トウカイテイオー。過去12戦で賞金を稼げなかったレースは1度もない堅実派が、イブの中山を盛り上げる。【岡山俊明】




初代覇者へ!グランが満点リハ

 「阪神カップ・G2」(17日・阪神)、1着賞金7000万円は、札幌記念と並んでG2では最も高額。リニューアル阪神を祝う新設重賞に、絶好調のシンボリグランが堂々と主役を務める。最終追い切りでは美浦坂路で4F50秒7。気性面の確かな成長とスピード感満点の走りで初代覇者の座を狙う。栗東では、タマモホットプレイが渡辺を背に鋭い反応を見せた。また、タガノバスティーユもシェイプアップで反撃態勢だ。
 4Fからの計時となる美浦坂路コース。だが、シンボリグランにとっては、それ以前のフラットに近い助走距離をいかに落ち着いて走れるかがカギ。かつてのグランなら、坂路入りと同時に掛かり気味にスピードに乗って猛然と突き進んでいた。それが違った。
 美浦南Aコースで、柴山を背に入念に体をほぐしてから坂路へ移動。コースに入っても気負ったしぐさはみじんもなく、ペースを上げる。「馬とケンカしない程度に」(畠山吉師)という指示通り、鞍上が適度に制御を利かせながら、リズミカルな脚さばきでゴールを駆け抜けた。最後まで馬なりの手応えのまま、4F50秒7-37秒1-12秒4。セーブしながらマークした数字が、いまの充実ぶりを如実に語っている。
 「良かったですよ」。口を開くと同時に、柴山に笑みがこぼれた。前走までは気性面での危うさが残っていたため、いくら速い数字が出ても慎重な言い回しに終始していた。しかし、この日は手放しで愛馬を称えた。「気分を害さないようかなり抑えたけど、リラックスして走れたね」。表情には自信すらうかがえた。
 「ハミ受けが良くなり、丸まった感じで我慢して走れるようになった。気持ちの成長が大きい」。畠山吉師も完全にひと皮むけたことを強調する。「相手関係は決して楽ではないけど、鞍上も手の内に入れたようだからね。流れに乗った競馬ができれば」と締めくくった。昨年12月のCBC賞以来、遠ざかっている勝ち星だが、いよいよ視界に入ってきたようだ。




ゴールドアグリ骨折、全治3か月

 15日、今年の新潟2歳S(GIII)を勝ったゴールドアグリ(牡2、美浦戸田博文厩舎)が、左第1趾骨々折を発症していることがJRAから発表された。全治には3か月を要する見込み。

 ゴールドアグリは、父タニノギムレット、母タッチオブゴールド(その父ヘクタープロテクター)という血統。今年8月のデビューから2連勝で新潟2歳Sを制覇。続く京王杯2歳S(GII)では1番人気に推されるも4着。前走の朝日杯フューチュリティS(GI)では8着だった。通算成績4戦2勝(重賞1勝)。




ナゾの妹ワタシメダチタイがデビュー

 14日、16日(土)、17日(日)に行われる各競馬場の出走馬が確定した。

 今週は3場で計9鞍の2歳新馬戦が組まれている。土曜中山5Rでは、珍名馬のオーナーとしてお馴染みの{owner=334009:小田切有一}氏が所有するワタシメダチタイがデビュー。今週デビューする主な馬は以下の通り。

( )内は性齢、騎手・厩舎、父馬
>16日(土)
・中山5R(ダート1800m)
サンワードレッツ(牡2、蛯名正義中川公成タバスコキャット)
伯父にメイショウドトウ(宝塚記念-GI)。

ホットストック(牡2、今野忠成勢司和浩フジキセキ)
半兄にサクラエキスパート(愛知杯-GIII)。

・中山6R(牝、芝1200m)
トーセングラマー(牝2、木幡初広宗像義忠クロフネ)
タシロスプリングファンタジーS(GIII)勝ち馬。

ワタシメダチタイ(牝2、田中勝春矢野進バブルガムフェロー)
兄姉にクレヨン(1勝)、ヨロシク、ナキワライ、スタンプ(1勝、地方2勝)、ナゾ(5勝、地方2勝)、オモシロイ(3勝、地方2勝)、ミテミテなど。

阪神6R(芝1400m)
アルティマトゥーレ(牝2、四位洋文森秀行フジキセキ)
エアトゥーレ阪神牝馬S(GII)勝ち馬。

トウショウブリッツ(牡2、池添謙一池添兼雄サクラバクシンオー)
従姉にスイープトウショウ(宝塚記念-GI、エリザベス女王杯-GI、秋華賞-GI)。

ヒシルーマー(牝2、福永祐一佐山優デヒア)
母ヒシピナクルはローズS(GII)勝ち馬。伯母にヒシアマゾン(エリザベス女王杯-GI、阪神3歳牝馬S-GI)。

>17日(日)
・中山4R(ダート1200m)
オリオンワンサイド(牡2、後藤浩輝根本康広スクワートルスクワート)
半兄にオリオンザサンクス(ジャパンダートダービー-交流GI)。

ニシノマンゲキョウ(牝2、吉田隼人武藤善則タイキシャトル)
伯母にニシノフラワー(桜花賞-GI、スプリンターズS-GI、阪神3歳牝馬S-GI)。

・中山6R(芝1600m)
ウイングオブゴット(牡2、内田博幸堀宣行タイキシャトル)
半姉にアインブライド(阪神3歳牝馬S-GI)。

オメガグッドラック(牝2、蛯名正義高橋祥泰マンハッタンカフェ)
半姉にスターバレリーナ(ローズS-GII)、オリーブクラウン(オークス-GI・3着)。

サクセスサーマル(牡2、北村宏司久保田貴士ジャングルポケット)
サクセスビューティフィリーズレビュー(GII)勝ち馬。

シルキーメイン(牝2、小野次郎柴田政人、Barathea)
母オードはジャパンC(GI)2着。

阪神4R(ダート1400m)
ネイキッド(牡2、福永祐一浜田光正)
伯母にファレノプシス(桜花賞-GI、秋華賞-GI、エリザベス女王杯-GI)。

ファルーシュ(牝2、秋山真一郎岡田稲男クロフネ)
従姉にグレイスティアラ(全日本2歳優駿-交流GI)。

プレシャスジェフォ(牝2、佐藤哲三福島勝、カリズマティック)
半兄にイシノサンデー(皐月賞-GI)。

阪神5R(芝1800m)
トシセント(牡2、柴田善臣音無秀孝ブライアンズタイム)
半兄にトシザブイ(目黒記念-GII)、トシヴォイス(クラスターC-交流GIII)。

ヒシヴェンチャー(牡2、武幸四郎佐山優スペシャルウィーク)
母アイドルマリーはデイリー杯3歳S(GII)勝ち馬。




土曜日の変更情報、エアカエサル出走取消

 16日(土)の変更情報は以下の通り。

【出走取消】
阪神2R
 6番 ピリリヴァーニイ

・中山12R
 9番 エアカエサル