スイープは初の中山がカギ

バルク 最後に1発あるか?

スイープは初の中山がカギ/有馬記念

 スイープトウショウは初めての中山競馬場が鍵となりそうだ。鎌田厩務員は「この馬は気難しい。中山も初めてだし、期待より不安の方が…」と控えめ。それでも悲観ムードが漂っているわけではない。「状態はいい。あの馬はいつも不安ばかりだからね。それでいて勝つときは強いのだから不思議」と地力に期待をかけていた。





バルク最高!昨年とは別馬だ

 3度目のグランプリに挑戦するホッカイドウ競馬コスモバルク(牡5、田部)が他馬に先駆けて美浦で最終追い切りを行い、ウッドコースを5ハロン65秒4、ラスト1ハロン12秒6で駆け抜けた。まだ太めではあるが、しまい14秒0でバタバタになった昨年とは雲泥の差。三度目の正直で、最高の走りを披露できそうだ。
 直線を迎えると、コスモバルクがハミを取った。高かった頭が一段階、グッと沈んだ。榎並調教厩務員も腰を沈め、手綱をしごいた。ひと押し、ふた押しするごとに、バルクは伸びた。ラスト1ハロンは12秒6を計測。報道陣とともに動きを見守った田部和則師(60)の顔が、思わずほころんだ。「随分いい。昨年の有馬の追い切りと比べたら、別馬のようだ」。
 グランプリには過去2回挑戦している。11着に敗れた04年は、12月まで既に6回長距離輸送を行っていた。「あの時は、やはり疲れがあったのかもしれない」。レースでは妙に折り合いがついて「らしさ」がなかった。昨年は太めに苦しんだ。火曜日の追い切りは、榎並調教厩務員より10キロ以上軽い五十嵐冬騎手がまたがったにもかかわらず、しまい14秒0を要した。「反応がなかった。あれはショックだった」と田部師は振り返った。今回も向正面であん上は手綱を押さえていたが、師は「首を振ったりしたわけではなかったし、元気な証拠」とキッパリ。この日に見せた姿は気持ちが前向きな時のバルクで、自分との闘いに勝てるようになった。「年を重ねるごとに距離が延びても大丈夫な気がするよ」。トレーナーは笑った。
 あとは馬体重だけ。追い切り後の計量では、クラを置いて516〜518キロを行ったり来たりだった。「今の段階ではまだ太い。最低でも前回の510キロは切らないと」(田部師)。ただ、昨年のような悲壮感はない。ひと皮むけたバルクの雄姿を見せる日まで、まだ5日ある。過去2回を上回るパフォーマンスが、きっと見られるに違いない。




メジャー精神的成長あり

 ダイワメジャーは初のグランプリに挑戦する。全休日はリラックスムード。3歳時のように、有り余ったパワーを発散させるため砂浴びをする姿も見られなかった。大場厩務員は「うまく自分で落ち着けるようになったのは大きい」と精神的な成長を認めた。




サムソン気合乗った

 グランプリでの復権を期す今年の2冠馬メイショウサムソン(牡3,栗東・瀬戸口)は、Dウッドをキャンターで2周して日曜追いを終えた。春から増えている馬体のシェイプアップのため、前走ジャパンC後も豊富な調教量を消化。加藤厩務員は「今の段階で510キロ台後半なので、輸送もあれば500キロ台になると思います。馬が負けて悔しいのか、気合が乗ってますし、(来年定年の)先生(瀬戸口師)のためにもいい結果を出したい」。




角居勢2頭ともに充実

 南半球最大のレース・メルボルンCでワンツーを決めた強力コンビが、打倒インパクトに立ち上がった。好調・角居厩舎が送り出すデルタブルースポップロックの2頭が日曜追いで万全の体調をアピール。酒井助手は「国際G1で1、2着の力を出せる状態です」。

 17日朝はCウッドコースで3頭併せ。デルタはポップとクルサード(2歳500万下)を誘導し、5ハロン71秒6、ラスト39秒1−12秒0(馬なり)のタイムをマーク。絶好の手応えでそのまま押し切った。後続に2馬身の先着。「気合が乗っているし、気持ちと体がかみ合ってきた。ここにきて充実してきた」。海外からの帰国初戦となるが、ピークを思わせる気配だ。

 一方、最後方から追走したポップは69秒9−11秒9(馬なり)のタイムでクルサードと併入。こちらも「予定通り。あと1本追えばいい感じになる」。去年の今ごろは500万を勝ち切れなかった馬が、今春に4連勝で重賞制覇。秋には世界で力を見せた。あん上はグランプリ3勝のオリビエ・ペリエ。勢いならこの馬が1番だ。

 3頭併せのパートナーに指名されたクルサード有馬記念当日のホープフルSで、インパクトの半弟ニュービギニングと激突する。角居厩舎にとってイブの中山はまさに「打倒インパクト」総力戦だ。




有馬へ弾み、内田博が日本新の年間506勝

 有馬記念ジャパンC2着のドリームパスポートに騎乗する内田博幸騎手(36=大井・荒井隆)が18日、浦和競馬11Rをトーセンマンボで快勝し、年間最多の506勝(地方445勝、中央61勝)という日本新記録を樹立した。通算2252戦で勝率は2割2分4厘となり、66年に鉄人・佐々木竹見元騎手が挙げた505勝(同2384戦、2割1分1厘)を40年ぶりに塗り替える快挙。内田は「昨年から意識して記録に向かい、公言もしてきたのでホッとしました。佐々木竹見さんとは、技術的にみてもまだまだ比べようもありません。竹見さんの域に近づけるよう頑張るだけです」と謙虚に喜びを表した。
 それでも、内田には「この記録は破ることができるんだ」という強い気持ちがあった。「それを証明できたのはよかった。印象に残る勝利は、ダーレーのG1初勝利(全日本2歳優駿フリオーソ)を、500勝という区切りで挙げられたこと。達成できたのは中央を含めた関係者のおかげです」。有馬記念に向けて大きな弾みがついただけに、ディープインパクト陣営も穏やかな気持ちではいられまい。




インパクト、自らの価値を130倍に高めた

 史上最強馬ディープインパクト(牡4、栗東池江泰郎)は、数字の面でも史上最高だ。賞金総額では18億円を稼いだテイエムオペラオーには及ばないが、その単価ではすべてインパクトが上となっている。7000万円で落札された馬が、最終的には種牡馬として51億円の価値をつけた。そんな怪物の「お金」にまつわる数字を検証してみた。
 02年セレクトセールで7000万円で落札された若駒が、ここまで積み重ねた賞金総額はテイエムオペラオーに続き史上2位の12億7152万7000円。引退レースの有馬記念(1着賞金1億8000万円+付加賞)を勝てば14億円ホースとなり、落札価格の20倍を稼いだことになる。
 自ら走って稼いだ額も怪物級だが、インパクトが何よりも傑出しているのは種牡馬としての評価。引退に際し組まれた総額51億円(8500万円×60株)というシンジケートは、96年に輸入されたラムタラの44億2800万円(1億800万円×41株)を上回り国内史上最高額となった。
 総賞金額とシンジケートの金額を合計した数字は65億円を超える。インパクトは走り続けることで、自らの価値を130倍に跳ね上げた。




勝ち馬から禁止薬物

 兵庫県競馬組合は18日、園田競馬場尼崎市)で今月6日に行われた第16回園田競馬第5日の第8レースで1着となったロゴス(牡5歳、中塚猛調教師)から、禁止薬物とされるカフェインの陽性反応が出たと発表した。競馬法違反容疑で既に被疑者不明のまま県警尼崎東署に刑事告発し、同署が捜査を進めている。

 同組合によると、レースには10頭が出走。単勝3番人気のロゴスは、2着に1馬身差をつけ1着となった。しかし、レース後の尿検査で、興奮作用をもたらすカフェインが検出された。

 これを受けて同組合はロゴスを出走停止30日間とするとともに、当該レースについても失格処分とした。既に交付した賞金や手当など総額34万8000円は返還させるが、配当金は有効とする。

 ロゴスは2004年7月に中央競馬でデビュー(6戦未勝利)後、同年11月に園田競馬へ移籍。同競馬での通算成績は30戦3勝。 




江田騎手を騎乗停止

 日本中央競馬会(JRA)は17日、同日の中山競馬第2レースで他馬の走行を妨害したとして江田照男騎手を、23日から1月7日まで騎乗停止とした。騎乗したサドラーズボーイは6着から8着に降着となった。