的場勇人騎手、民放競馬記者クラブ賞を受賞

親子鷹になれる?

 25日、民放競馬記者クラブ(加盟12社)は、06年度の民放競馬記者クラブ賞を的場勇人騎手(19、美浦的場均厩舎)に贈ることを発表した。

 的場勇人(まとば はやと)騎手は、父に名ジョッキー・的場均現調教師を持ち、3月4日に騎手デビュー。3月11日に初騎乗から5戦目で初勝利を挙げ、今年は278戦12勝の成績を残した。また、一度も騎乗停止がなかったことも評価された。なお、授賞式は07年1月6日の昼休みに、中山競馬場にて行なわれる予定。



ディープインパクト、社台SSに到着

 引退式を終えたディープインパクトが、26日午前6時50分、種牡馬となるために北海道安平町の社台スタリオンステーションに到着した。22時間、1100kmに及ぶ行程だったが、2年間をともに過ごした市川明彦厩務員とともに新天地に降り立った同馬は、集まった100人の報道陣、スタッフを前に堂々とした振る舞いを見せた。

 吉田勝己社長は「最高の馬。これからは産駒で世界を目指します」と力強く語り、種牡馬としての期待に胸を膨らませた。

 市川厩務員は「寂しい思いもあるが、これからもこの馬らしく頑張って、第2の競争に勝ってほしい」とエールを送った。

 すでに総額51億円のシンジケートが組まれ、種付料は1200万円と発表されている。初仔は2010年にデビュー予定となっている。



ポップロックがドバイ遠征も…有馬記念2着

 有馬記念で2着に入ったポップロック(牡5歳、栗東・角居厩舎)が、来春のドバイ・シーマクラシック・G1(芝2400メートル)を目指すプランがあることが26日、明らかになった。

 距離、馬場の適性や状態面を考慮して、僚馬で有馬記念6着のデルタブルース(同)との使い分けられる予定。ドバイ遠征か、もしくは阪神大賞典(3月18日)から天皇賞・春(4月29日、京都)のどちらかの路線を進む。「精神面で本当に安定してきたし、それに加えて体つきも良くなって、すごく充実してきている」と岸本助手は話した。




ホープ賞に輝いた吉田隼人騎手は笑顔でガッツポーズ

 デビュー3年目の吉田隼人騎手(22)が初重賞を含む60勝を挙げ、06年の栄冠に輝いた。日刊スポーツ新聞社制定、中央競馬会協賛の「中央競馬騎手年間ホープ賞」の選考委員会が25日に開かれ、昨年の3倍近い60勝(関東8位、全国17位)をマークした同騎手の受賞が決まった。福島牝馬Sではテン乗りロフティーエイムで重賞初制覇を果たし、秋華賞ではG1初騎乗と充実一途。来年は大舞台での活躍が期待される。
 「え? 僕に決まったんですか? ありがとうございます!」。受賞を知らせると、端正な顔立ちをした吉田隼人騎手はニコッと笑った。柔らかい笑顔は以前と異なる印象を受ける。
 今年は60勝で関東リーディング8位。昨年(23勝)の3倍近い勝ち星だ。「3月ぐらいまではリズムが悪かったんですが、トータルでみたら上出来です」。20、30、40勝…。白星を重ねるたび、ハードルを上げた。「人気馬がどういう競馬をしているのか、競馬をより見るようになった。そして、自分が乗っている馬がどうすれば通用するのかを考えた」。何度となくVTRを見た。力と力の勝負が不利なら、経済コースを回る。内田博騎手や外国人騎手など、自分と背格好の似た騎手のフォームも木馬に乗って研究した。その積み重ねが、福島牝馬Sでの重賞初制覇につながった。
 デビューのころから吉田豊騎手の弟として注目を浴びた。「豊の弟だから、顔も早く覚えてもらえるだろうってどこかで思っていた」。しかし、現実は甘くなかった。それどころか「兄貴は乗れるけど、お前はダメだなぁ」と、すれ違いざまに言われることもあった。「頑張っているのに…」。当時はうつむくだけだったが、今は違う。「本当ですよねぇ。すみません!」。笑って返す余裕が生まれた。兄とも競馬の話をするようになった。「実家にも時々一緒に帰ります」。兄が乗った馬に自分が乗る時は、電話して話を聞くこともある。「もともと人見知りなんですが、いろいろな人に自分から積極的に話しかけなきゃダメだと思った」。騎乗回数も382回から815回と大幅アップ。勝利数では3つ、兄を上回った。
 「いろいろな面で、気持ちの切り替えができるようになったことが大きい」と話す。今年は秋華賞でG1も経験した。「来年は大きな舞台でもっと乗れる機会を増やしたい。減量がなくなるし、今年以上に頑張らないといけないですから。目標としてはフェアプレー賞を取りたいですね」。大舞台で輝く日は近い。【



シロッコ得意コースでエース格

日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、1月6日=中山)は、トウショウシロッコ(牡4、大久保洋)が関東のエース格になる。未勝利を勝っただけの1勝馬だが、重賞2着が2回ある中山コースは得意。ハンデも53キロと軽い。大久保洋師は「前走はゲート練習に専念したこともあって少し重かった。ある程度先行できれば楽しみ」と期待していた。




インパクトの花嫁候補に5冠馬ドーベル

 有馬記念を最後に現役を引退した7冠馬ディープインパクト(牡5)の花嫁候補に、5冠牝馬メジロドーベルが挙がっていることが26日、明らかになった。現在、ダービーなど4冠を制したスペシャルウィークの子を宿しており、出産予定は4月上旬。種付けが決まれば、その後になる。過去に父シンボリルドルフ、母メジロラモーヌという10冠ベビー(メジロリベーラ=未勝利)の例があるが、インパクトとドーベルの子なら、それを上回る史上最高の12冠ベビー。種付け権利を1株所有するメジロ牧場の岩崎伸道専務は「正式には1月に決まるが、一番いい繁殖に一番いい種馬を付けるのは鉄則。ディープは性格的にも悪いところがないし、心臓が強くて骨も丈夫。体の小ささは気にならない」と、インパクトへの期待感を表した。
 そのほかの候補も名牝ばかり。インパクトの生産者ノーザンファームでは、97年天皇賞(秋)を制したエアグルーヴ、重賞5勝を挙げたブロードアピール、04年ダービー馬キングカメハメハの母マンファス、今秋G1で2勝したダイワメジャーの母スカーレットブーケなどが挙がる。インパクトがけい養される社台スタリオンステーションの徳武英介さん(44)は「来年2月から年間150頭ほどに交配する予定です。サンデーサイレンスの後継というより、まったく新しい1頭の種牡馬として期待しています」と話していた。注目の2世は、早ければ08年に誕生する。