インパクト全兄タイドが飛ぶ

トウショウシロッコ出番だ!!


< 中山金杯

インパクト全兄タイドが飛ぶ

 「伝説」は兄に引き継がれる。6日の日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、中山)に出走するディープインパクトの全兄ブラックタイド(牡6、栗東池江泰郎)が、一戦ごとに調子を上げている。陣営は2年10カ月ぶりの勝利と、07年の飛躍を誓った。

 ディープインパクト凱旋門賞への出国準備を整えていた7月23日、兄ブラックタイドはひっそりと新潟の関越Sで復帰した。2年3カ月ぶり。屈腱(けん)炎からのカムバック初戦。脚元への負担を考えてダート競馬を選択した。結果は7着だったが、最後方の15番手から大外を強襲した脚に「やっぱり雰囲気がある」と、手綱を取った藤岡騎手は興奮気味に語った。

 その後は3、6、2、3着と勝ち切れないが、ゆっくりと確実に上昇カーブを描いている。2走前のアンドロメダSを勝てば「有馬記念で兄弟対決もあったんだ」と池江泰郎師が語ったほど、脚元への不安はほとんどない。この中間も元気いっぱいで、12月31日にはDウッドコースで、しまい1ハロン12秒6の時計を出した。3歳時とは違って落ち着きがあり、黒光りする馬体からも、体調の良さはうかがえた。

 前走のディセンバーSは少頭数のスロー。逃げたスターイレブンが2着に残ったように、末脚勝負のタイドには厳しい流れだった。片山助手は「前走は完全な前残り。追い込み馬にとって、あの形は厳しかった。それでもしまいはよく伸びていたからね」と復調への手応えは感じている。自身の上がり3ハロンは34秒1。33秒台の上がり時計を連発していた弟には及ばないが、自己最速の上がりをマークしたことが復調の証しだ。片山助手は「具合はいいんだ。問題ないどころかじわじわと前進している。あとは展開が向いてくれればね」と期待を込める。

 04年4月の皐月賞で16着に敗れた後、競走馬にとって不治の病といわれる屈腱炎が判明。長期離脱は避けられない。だが、陣営はあきらめなかった。弟がターフで脚光を浴びる陰で、兄も必死で病魔と闘った。そして勝った。

 今度は04年3月のスプリングS以来、約2年10カ月ぶりの勝利を目指す。態勢は整った。弟インパクトに向けられていたスポットライトを、今年は兄が浴びる番だ。





シロッコ上昇、重賞初V狙う

 07年中央競馬の幕開けとなる中山金杯(G3、芝2000メートル、1月6日=中山)で、重賞初制覇を狙うトウショウシロッコ(牡4、大久保洋)が順調な仕上がりを見せている。27日の追い切り後も元気いっぱい。ゲート再審査で太めが残った前走(中日新聞杯)より、調整過程は数段いい。大久保洋師も「ゲート練習を中心にした分、前走はやや重かったのかもしれない。31日もしまい少し伸ばす予定だし、年明けは3日にちょっとやれば仕上がるだろう」と話した。





< 京都金杯 >

キンシャサノキセキ仕上がる/京都金杯

 京都金杯に出走するキンシャサノキセキ(牡4、堀)は阪神C除外後、ここを目標に調整している。賞金順(21番目)で出走は微妙な状況だが、31日朝はウッドコースでしまいを伸ばした。馬なりのままでラスト1ハロン14秒4。堀師は「変わらずにいい感じできている。もう仕上がっているし、あとは直前にやれば大丈夫だろう」と語った。飛躍をかける07年は、マイル戦線の中心になってもいい素材だ。




橋口厩舎東西金杯に意欲の3頭出し


 東西金杯に3頭を出走させる橋口師が、厩舎のエースで昨年のJC後に引退したハーツクライの後継馬として、京都金杯(G3、芝1600メートル、6日=京都)に出走するペールギュント(牡5)を指名した。前走は展開のアヤで6着と伸びを欠いたが、シンザン記念を勝った相性のいい京都のマイル重賞で巻き返す。

 橋口師は例年、好調馬を金杯にぶつけてくる。「だって金杯はG1みたいなものだからね。勝てば気分よく1年のスタートを切ることができる」。昨年は中山金杯を7番人気のヴィータローザで制し、この勝利を皮切りに勝ち星を量産。海外でもハーツクライがドバイ・シーマクラシックを勝った。京都金杯は01、02年にダイタクリーヴァで連覇している。ここを勝てば波に乗れる。

 今年、橋口師がハーツの後継候補に指名したのは京都金杯に出走するペールギュントだ。「この馬には頑張ってほしい。前走は馬場がゆるめで掛かってしまった。出来はいいし楽しみ」と好感触だ。京都のマイル戦は2年前にシンザン記念を勝った舞台。得意のコースで飛躍への第1歩を踏み出す。

 中山金杯は2頭出しで臨む。昨年の覇者ヴィータについては「体調は変わらずいい。アテにならない面はあるが、一発があってもいい。昨年勝ったゲンのいいレースだからね」と期待を込める。G1馬ロジックは「前走を見る限りまだ本来の出来にはないのかな。体が絞れてくれば」と体重をポイントに挙げた。




デンエン春の目標は安田記念

 阪神C4着の後、放牧に出されているアサクサデンエン(牡8、河野)は春の目標を6月3日東京の安田記念(G1、芝1600メートル)に置く。河野師は「どこか1回使ってから本番に行きたい。もう1つ大きいところを取らせてあげたいね」と話した。




全日本2歳優駿フリオーソ共同通信杯

 川崎の統一G1、全日本2歳優駿を快勝したフリオーソ(牡2、船橋・川島正)は、2月4日東京の共同通信杯(G3、芝1800メートル)へ向かう。




シャーディー休み明けもOK

 4カ月半の休み明けとなるシャーディーナイス(牡8、谷原)は、調教と実戦が直結するタイプ。30日はBコースでキャンターを行った。500キロを超える大型馬だが太め残りは感じられない。谷原師は「最近はしまいの粘りがいまひとつだが、ここへきての動きは悪くない。障害練習をしている効果が出るかもしれないね」と語った。