アンカツ絶賛スカーレット

兄中央参戦近し,ここで来る?

 日刊スポーツ賞シンザン記念(G3、芝1600メートル、8日=京都)出走馬の追い切りが4日、栗東トレセンで行われた。G1・3勝馬ダイワメジャーの半妹ダイワスカーレット(父アグネスタキオン、牝3、栗東・松田国)は、安藤騎手を背に坂路で4ハロン53秒6をマーク。デビュー3連勝での重賞初制覇を視界にとらえた。

 あん上が軽くゴーサインを出すと、ダイワスカーレットは一気に加速した。かつての、気持ちが先走る面は見られない。安藤騎手は「調教では確実に成長している。ムキにならず、ゆったり走れた。すごくいい」と絶賛。4ハロン53秒6−12秒3という時計以上に、その動きには切れがあった。

 松田国師の表情も思わず緩んだ。「まだ完成されていない馬だし、上がりだけシャープにという指示だった。頭の位置が良く、折り合いもスムーズ。相当な能力がある馬だね。理想的な最終追い切りができた」。手放しで喜んだ後には「他馬の成長面もあるので、簡単に勝たせてはもらえないだろうけど、この頭数だし重量面も有利」と、期待の大きさを口にした。

 以前、馬場が硬くなる寒い時期にクラシック候補を出走させるには勇気が必要だった。しかし、馬場が改善されるに従い松田国師も「だんだん大丈夫になってきたね」と安心して使えるようになった。また、阪神マイルが京都に似た外回りコースで行われるようになったことも、このレースへの参戦理由。「大一番(桜花賞)の前に、テストしたい面があるんだ」と語るトレーナーが選んだ一戦は、過去にもフサイチエアデール(99年)、タニノギムレット(02年)で制している。

 スカーレットの持ち味は「前へ行ける強みと、爆発力。折り合えば、しまいは確実に伸びてくる」(松田国師)。半兄ダイワメジャー顔負けの決め手を引っ提げ、桜花賞へと突っ走る。




イースター気合注入51秒5

 ディセンバーSを快勝したイースターがCウッドで力強い脚取りを見せた。長谷川騎手を背に直線に入ると、ビシッと気合を注入されてラスト12秒2でフィニッシュ。6ハロン82秒7。4ハロン51秒5、3ハロン37秒8は出色の時計だ。長谷川は「折り合いがつくようになっている。最後まで動きは良かったし、ちょっと自信がつきました」と笑顔を見せた。

 長谷川は03年度に関西新人賞(28勝)、ここ2年連続でフェアプレー賞を受賞したデビュー4年目の気鋭だ。3戦目のコンビとなるイースターも波に乗ってきた。キャリア1戦で京王杯2歳Sに挑戦して2着。骨折で出世が遅れていたが、前走で1年ぶりの復活Vを飾った。「今日の雰囲気なら2000メートルでも不安はない。前走は典さん(横山典騎手)の乗り方がすごかった。あとは僕次第ですかね(笑い)」。トップハンデ馬と3・5キロの重量差があるだけに、チャンスは十分あるだろう。




ライジン合格点の動き

 休み明け2走目となるマヤノライジンが上昇をアピールした。坂路単走で4ハロン52秒5−13秒1の好時計。見守った梅内師は「先週もいい時計が出ているし、久々を1回使ったからあれくらいは動く。変わりなく来ている」と合格点を与えた。昨年は条件戦を4連勝後、重賞で3、4、3着。同師は「今年は飛躍の年にしたい。まず1つ重賞を取らせたい」と力が入っていた。





ゲイト16頭目滑り込み

 日刊スポーツ賞中山金杯(G3、芝2000メートル、6日=中山)で賞金上位のスーパーチャンスが回避したため、シャドウゲイトが出走枠に滑り込んだ。加藤征師も「入れて良かった」と笑顔を見せた。1000万を勝ち上がったばかりで格上挑戦となるが「追い切りは最後までしっかり伸びていた」(同師)と状態は申し分ない。53キロの軽ハンデなら一発がある。




キネティクス一転、川田で出走

 京都金杯(G3、芝1600メートル、6日=京都)を回避する予定だったキネティクスが一転、出走することになった。落馬、負傷で昨年9月30日以来の復帰となる川田騎手が騎乗する。




ゲレイロ本田が好感触

 朝日杯FS2着のローレルゲレイロ(牡3、栗東・昆)は、Dウッドコースでイカンセン(3歳未勝利)を追走する形で追い切られた。ゴール前100メートル付近で外からかわすと1馬身先着し、6ハロン85秒2−11秒8を計時。騎乗した本田騎手は「前の馬のペースに合わせたので時計は遅いが、動きはいいし好調を維持している」と好感触だった。




モンテリーゾバルジュー短期免許取得

 JRAは4日、マルコ・モンテリーゾ騎手(27=イタリア)、ダリオ・バルジュー騎手(30=同)に短期免許を交付したと発表した。明日6日からモンテリーゾは3月5日まで、バルジューは2月25日まで騎乗する。




06年度厩舎関係者表彰を武豊、森師ら受賞

 06年度厩舎関係者表彰受賞者が4日、JRAから発表された。騎手部門では武豊騎手(37)が184勝(地方交流含む)、勝率2割2分2厘、賞金47億8974万4900円でそれぞれ1位に輝き3冠。調教師部門では森秀行師(47)が63勝(同)で最多勝利を達成した。主な表彰は次の通り。

 【騎手】 <勝利数>(1)武豊(2)岩田康誠(3)(藤田伸二)(4)安藤勝己(5)横山典弘

 <勝率>(1)武豊(2)安藤勝己(3)横山典弘(4)(藤田伸二)(5)岩田康誠

 <賞金>(1)武豊(2)岩田康誠(3)安藤勝己(4)福永祐一(5)(藤田伸二

 <優秀障害騎手>西谷誠

 <フェアプレー賞>勝浦正樹中舘英二赤木高太郎秋山真一郎太宰啓介長谷川浩大、(藤田伸二)、ルメール

 【調教師】 <最多勝利>森秀行<最高勝率>池江泰寿<最多賞金>松田博資

 <優秀調教師>関東(1)藤沢和雄(2)戸田博文(3)国枝栄(4)小島太(5)加藤征弘 関西(1)森秀行(2)松田博資(3)池江泰郎(4)鮫島一歩(5)音無秀孝

 【注】藤田の表彰は裁定委員会の議定があるまで保留。