中山金杯、シャドウゲイト7馬身差圧勝

おめでとう!!

 6日、中山競馬場で行われた中山金杯(4歳上、GIII・芝2000m)は、田中勝春騎手騎乗の3番人気シャドウゲイト(牡5、美浦加藤征弘厩舎)が、2番手追走から早めに先頭に立つと、直線では後続を突き放し、外から伸びた10番人気アサカディフィートに7馬身差をつけ圧勝した。勝ちタイムは2分02秒4(重)。さらに1/2馬身差の3着に2番人気ブラックタイドが入り、1番人気マヤノライジンは8着に終わった。

 勝ったシャドウゲイトは父ホワイトマズル、母ファビラスターン(その父サンデーサイレンス)という血統。祖母カッティングエッジは89年クイーンC(GIII)、88年3歳牝馬S・東(GIII)の勝ち馬。

 3歳時、05年プリンシパルSエイシンニーザンの2着して日本ダービーに出走(ディープインパクトの16着)、その後もグリーンチャンネルC(3歳上500万下・芝1800m)を勝つものの、条件戦で連敗を続けた。昨年7月、函館の大森浜特別(500万下・芝2000m)で10か月ぶりの勝利を挙げ、12月17日の前走、約5か月ぶりに出走した香取特別(3歳上1000万下・芝1800m)では逃げ切って7馬身差で圧勝していた。通算成績16戦5勝(重賞1勝)。

 鞍上の田中勝春騎手は93年(セキテイリュウオー)、03年(トーホウシデン)に続きこのレース3勝目。JRA重賞は昨年のオールカマー(GII、バランスオブゲーム)以来の通算37勝目。管理する加藤征弘調教師は05年アンタレスS(GIIIピットファイター)以来のJRA重賞通算3勝目となった。

 また、ホワイトマズル産駒は04年オールカマー(GII)のトーセンダンディ以来、約2年3か月ぶりのJRA重賞勝ちとなった。




武幸四郎騎手を騎乗停止

 日本中央競馬会JRA)は6日、同日の京都競馬第10レースで他馬の走行を妨害した武幸四郎騎手を、13日から21日まで(開催日4日間)騎乗停止とした。騎乗したナンヨーノサガは9着から14着に降着となった。 




9億円馬ミスターセキグチ、久々の出走

 現地時間7日、米・サンタアニタ競馬場で行われる7R・アローワンス(ダート6f、10頭立て)に、“フサイチ”の冠名でお馴染みの関口房朗氏が所有するミスターセキグチ Mr.Sekiguchi(牡4、米・B.バファート厩舎)が、昨年4月以来約9か月ぶりに出走する。鞍上はG.ゴメス騎手。

 同馬は父Storm Cat、母が00年ドッグウッドS(米G3)勝ち馬Welcome Surprise(その父Seeking the Gold)という血統で、伯父にA.P.Indy(BCクラシック-米G1)などがいる良血馬。04年9月の米キーンランドイヤリング(1歳馬)セールで、1歳馬としては史上4番目、同セールではレコード価格となる800万ドル(約8億8000万円)で落札。06年2月18日のデビュー戦で2着後、4月8日のメイドン(ダート6.5f)で初勝利を挙げ、その後じっくり調整されていた。通算成績2戦1勝。


 逃げて自分のペースに持ち込んだマイネルスケルツィ(牡4、稲葉)が有力関西馬の追撃を封じ込み、昨年のニュージーランドTに続く重賞2勝目をマークした。関東馬京都金杯に勝ったのは、45回の歴史で初めてのこと。単勝7番人気のマイネルに続く2着にも伏兵エイシンドーバーが入り、3連単は11万9220円という波乱となった。

 今年のマイル路線を占う重要な一戦を制したのは、関東馬マイネルスケルツィだった。好スタートから押し出されるように先頭に立つと、ずっと1馬身後ろを追ってきたサクラメガワンダーを直線半ばで振り切り、勝負に決着をつけた。

 「メンバーを見て逃げ馬がいなかったので、こんな形も考えていた。道中息を入れてタメがきいた分、しぶとく頑張れたね」。昨年99勝でストップ。年間100勝にあと1歩届かなかった柴田善臣騎手(40)は今年初勝利を幸先のいい重賞制覇で飾り、右手の花束を高く掲げてファンの声援に応えた。

 京都金杯関東馬が制したのが45回の歴史で初めてのことなら、関東騎手による勝利も史上初。また、02年中山金杯ビッグゴールド)に勝っている柴田善騎手は東西金杯を制したことになり、これも史上初の快挙だ。関東勢にとってはまさに初もの尽くし。押されっぱなしの状態が長く続く東西勢力図の中で、07年の反攻を予感させるアウエーでの1勝となった。

 稲葉隆一師(65)は「短い距離が合う馬。今年はスプリンターズSに照準を合わせて行こうと思っている。ここでうまく賞金を加算できたので、これで胸を張ってどこにでも使えるよ」と、この1勝の重みを口にした。

 同馬は来週水曜日(10日)に北海道新冠ビッグレッドファームに放牧に出る。春のターゲットは6月3日東京の安田記念(G1、芝1600メートル)でのG1制覇だ。




隼人にっこり「欲しかった」

 日刊スポーツ新聞社制定、中央競馬会協賛の「中央競馬騎手年間ホープ賞」と「06年読者が選んだベストレース」の表彰式が6日、中山競馬場で昼休みに行われた。

 ホープ賞に選ばれた吉田隼人騎手(23)には、今村孝二編集局長から賞状と賞金50万円が渡された。「欲しかった賞なので、うれしいです」と、年男は素直に喜んだ。05年の23勝を大幅に上回る60勝をマークし、関東リーディング8位に躍進。テン乗りロフティーエイムで重賞(福島牝馬S)を初制覇するなど、中身も濃かった。この日の中山金杯では戸田厩舎からキープクワイエットを依頼され、リーディング上位厩舎からの信頼も得ている。4年目の今年は減量が取れて勝負の年になる。「去年はあんなに勝てるとは思わなかった。今年も1つ1つ大事に乗りたい」と抱負を語っていた。

 >ホープ賞 02年創設。1年間で最も成長を見せた関東の若手騎手を表彰する。G1や重賞の成績、勝利数などを参考に選出。04年は騎乗数、勝利数ともに大幅増の石橋脩騎手、昨年は柴山騎手が選ばれた。