ダイワメジャーは短距離馬?失礼のような

短距離馬?

良血デイラニに期待

 今週の中山メーンは皐月賞への登竜門、京成杯(G3、芝2000メートル、14日)。シンボリクリスエスの半弟、ピサノデイラニ(牡3、藤沢和)が重賞制覇を狙う。デビューから4戦、レースをこなすごとに良血馬が本領を発揮し始めた。

 2勝はともにダートで、芝はデビュー戦(6着)以来となる。だが、初戦は馬っ気を出して走っており、メンタル面での幼さが出ていただけ。その証拠に2戦目のダート戦では、多少砂をかぶって嫌がるそぶりはあったが2着馬に1秒9の大差をつけて圧勝。走りに集中すればその能力はやはり高いことが証明された。藤沢和師は「500キロを超える馬格があるし、走りにも迫力がある。血統的にもクリスエスの弟で今年の期待馬だ」とクラシック戦線での飛躍を誓う。昨年はジャリスコライトでこのレースを制した。同師にとっては2年連続優勝がかかる一戦。

 兄にも騎乗経験のある横山典騎手とは今回が初コンビとなる。「クリスエスのこの時期は攻め馬ではフワッとしてたけど、実戦タイプだった。ちょっとタイプは違う。兄は3歳の春から秋にかけて急激な上昇カーブを描いた馬だったが、こちらは現時点での完成度が高い。今年の期待馬。ここでどんな走りをしてくれるか楽しみ」と好感触だ。まずは1つ目のタイトルを奪取し、G1へ弾みをつける。



V2へフジ良化ムード

 アドマイヤフジ(牡5、栗東・橋田)が日経新春杯(G2、芝2400メートル、14日=京都)で昨年に続く連覇を狙う。亀甲骨折で昨季の大半を棒に振ったが、長期休養明けの有馬記念8着をたたいて良化ムード。騎乗停止が明け、再びコンビを組める福永祐一騎手(30=フリー)も、「インパクトがいなくなって1つの時代が終わった。これで、他の馬にもチャンスが出てくるし、モチベーションを高めることができる。フジの復帰は楽しみ」と力こぶを入れる。全休日の9日、厩舎に姿を見せた児玉助手も「前走後の回復は早かったし、先週も2本時計が出せた。動きは良くなってます」良化をアピールした。




ダイワメジャーは短距離馬?失礼のような

 JRA賞最優秀短距離馬には、ダイワメジャー(牡6、上原)が選ばれたが、スプリント路線を一度も走っていない馬の同賞受賞は、部門設定のあり方に一石を投じた。

 天皇賞(秋)マイルCSのG1・2勝を挙げたダイワメジャー(牡6、上原)が「最優秀短距離馬」に選出された。

 この受賞そのものに異をとなえるつもりはないが、ダイワメジャーって短距離馬? と思うファンも多いのではないか。この部門の「該当馬なし」が39票と全体の13%を占めているのは、ファンばかりでなく投票する側にもその思いがあったことを裏付けるものだ。

 日刊スポーツレース部デスクの水島は「秋の天皇賞を勝った馬に『短距離馬』の称号はかえって失礼ではないか。マイルの部門があればよかった」と話す。確かに、スプリンター路線の1200メートルを一度も走らず、1600メートルのマイルCS、2000メートルの天皇賞(秋)を勝ち、2500メートルの有馬記念3着馬を「短距離馬」とするのは違和感がある。ベテラン堀内記者は「マイルの部門を、という声はこれまでにもあった。しかし、スプリントのG1が2つしかない現状で、マイルとスプリントを分けると、安易に最優秀短距離馬が生まれる可能性も無視できない」として、「最優秀マイラー」のカテゴリー独立には、スプリント路線充実の必要性を挙げた。JRAは「毎年、ベストマイラーなどの規程を欲する声が挙がる。今回の選考でも新部門の創設を求める声もあった」と話す。

 JRAでは昨年、ヴィクトリアマイルを新設した。牝馬限定とはいえマイル路線の充実を意識してのもの。そうした流れを考えれば「ベストマイラー」のカテゴリー創設はファンにとっても分かりやすいのではないだろうか。

 昨年、日本はICSC(注)でパート1国入りした。海外からの日本G1挑戦は日常茶飯事。外国馬が各賞の対象に含まれていないことも、一考すべき時期に来ているのではないか。



横山典が1日5勝の固め打ち

 昨年、113勝で関東リーディングに輝いた横山典弘騎手(38)が、8日の中山競馬で5勝、2着2回の固め打ちを決めた。

 快進撃の始まりは1Rの未勝利戦。11番人気の伏兵タケデンヴィーナスでゴール前一気の逆転劇を演出すると3、4Rの新馬戦も連勝し、ここまで騎乗機会3連勝。午後に入っても勢いは止まらない。6Rのトーヨーコジーンで2着後、再び連勝モードへ。9、10Rの特別戦を鮮やかな差し切りで5勝目を飾り、2クラを残してパーフェクト連対の期待も抱かせた。残念ながらメーン初富士Sのピサノグラフ、最終12Rのフェラーリセブンは4、2着に敗れたが、正月3日間開催で7勝、2着4回の大暴れだ。関西で5勝の岩田、四位にも2勝差をつけて、全国トップにも立った。

 横山典は「いつものことだよ。いい馬が集まっているんだからこんなもの。むしろ、初日は(勝てなくて)驚いたぐらい。でも、とりあえず頑張れて良かった」と笑った。昨年の勢いそのままに、今年もリーディング首位を突っ走る。