骨折松岡ツェッペリンで復帰

期待できる?

 若手のホープ松岡正海騎手(22=相沢)が今週、07年のスタートを切る。昨年暮れに右足腓骨(ひこつ)骨折、リタイアしたが、短期間で復帰にこぎ着けた。日曜メーンの京成杯ではホープフルSで2着に好走したサンツェッペリンに騎乗、復帰即の重賞制覇に挑む。ここ2年、惜しいところで日刊スポーツ中央競馬騎手年間ホープ賞を逃しているが、今年こそ、これを取る。

 右足腓骨の骨折からわずか1カ月で松岡が復帰する。昨年12月16日、中山9Rの輪乗り中に他馬に蹴られた。「その瞬間、すごく痛くて、あとの騎乗は無理だと思った。折れた音が聞こえた人がいたみたいだったし」。その日はもちろん乗り替わり。翌17日に騎乗するはずだったG2阪神Cプリサイスマシーンではひそかに昨年3つ目の重賞勝ちを狙っていたが、乗れなかった(安藤騎手に乗り替わり)。同馬はこのレースで首差の2着。「テレビで見ていたけど、乗る予定だった馬が走ってたりして残念な思いをした」。

 腓骨骨折といえば、04年にはサッカー日本代表だった稲本が、同様のケガで戦線離脱した。種目の違いはもちろんあるが、稲本は実戦復帰まで約4カ月を要した。松岡は12月27日に退院、1月2日には調教に騎乗した。3週間足らずでの現場復帰だから驚異の回復ぶり。「牛乳は嫌いだし飲んでいない。煮干し? 食べなくても大丈夫。もう痛くないですから」。高気圧酸素カプセルならぬ、高気圧酸素ルームで自然治癒させた。

 京成杯で騎乗するのはサンツェッペリン。前走は五十嵐冬樹騎手が騎乗したが(2着)、10月の未勝利戦(1着)、11月の百日草特別(2着)は続けて手綱を取っている。「ジワッと長い脚を使える。調教で派手な動きをするタイプではないが伸びしろはありそう。前走でも2着に走っているしいい手応えはつかんでいる」と好感触。

 昨年の日刊スポーツ中央競馬騎手年間ホープ賞は1期下の吉田隼人騎手(23=堀井)が受賞したが、重賞2勝を含む28勝を挙げた松岡も候補に挙がり、最後までもつれた。「重賞2つ勝ってもダメか。まああっちは60勝してますからね」。6月から3カ月半、アイルランドに武者修行に出掛け、日本を留守にしていたことが勝ち星の差になったが、この経験は視野を広げるのに大いに役立った。間違いなく今後の飛躍の糧になる。

 実は一昨年も49勝を挙げ、有力候補だったのだが、80勝の柴山騎手にさらわれた。「今年こそはもらいます」。まずは重賞制覇でスタートダッシュを決める。





アクト重賞でも通用

 ショウリュウアクト(牡3、佐々木晶)が、ここをステップにクラシック戦線への参入を目指す。前走でようやく未勝利戦を勝ったばかりだが、佐々木晶師はそのレースぶりに光るものがあったという。「4コーナーでポジションが下がってしまったし、3着まで来たらいいところかなと思った。あそこから馬群を割って勝つとは思わなかったよ」。以前は詰めの甘い印象があったが、それを払しょくし、ここに来ての成長ぶりをアピールする勝利。師は「重賞でもやれる」と確信した。年明け早々に重賞(中山金杯ガーネットS)を連覇し、乗りに乗っている田中勝騎手を背に飛躍を目指す。




レガーロ重賞獲り手応

 未勝利戦とベゴニア賞を連勝したメイショウレガーロが重賞どりへ挑む。父マンハッタンカフェ、母コッコレはいずれも小島太厩舎から巣立った。小島太師は「体に実が入って調教でも動くようになった。月曜に坂路で追った動きも良かったからね。道中は遊ぶ面があるから距離も問題ない」と期待を込めた。




上原厩舎2頭初重賞制覇へ意欲

 上原厩舎が2頭出しで今年の重賞初制覇を狙う。ホープフルS6着からの巻き返しを期すダイレクトキャッチは、前走は出遅れが響いたが、初戦では5億円馬のザサンデーフサイチに先着するなど地力は上位。伊藤助手は「デビュー戦の後は疲れが出たが、前走後は出ていない。乗りやすい馬だし楽しみはある」。

 マイネルーチェはここ2走が11、12着と大敗しているが新潟2歳Sで2着に好走した実績がある。同助手は「牡馬が相手になるが、この距離で違った面が見せられれば」と変わり身を期待していた。




グラスワン良なら有力

 今週の京都メーンは、古馬によるハンデ戦日経新春杯」(G2、芝2400メートル、14日)で、鳴尾記念17着としんがりに敗れたオースミグラスワン(牡5、安藤)が巻き返しを図る。今回は良馬場が濃厚で、コースは得意の淀。昨年の新潟大賞典以来の2度目の重賞制覇へ向けて好条件がそろった。

 前走の惨敗について安藤正敏調教師(69)は「良馬場発表でも、レースでは雨が降って滑る馬場。トビが大きな馬だし、あんな馬場では力を出せない。前残りの展開も向かなかったし、仕方ない」と振り返る。今回は長期予報ではレースの14日まで、ほとんど雨は降らないもよう。「いい馬場でやれそう。出来は前走より良くなっているし、前走のようなことはない」。

 京都コースは【3 3 1 0】。直線の長い淀の外回りは、末脚勝負のこの馬にとってベストの条件だ。半姉には、エリザベス女王杯2着2回のオースミハルカがいる。姉が取れなかったG1タイトルへの期待も大きい。




ダート最優秀馬にコンコルド選出

 ダート競走格付け委員会が、06年ダートグレード競走最優秀馬に東京大賞典JBCマイル、南部杯のダートG1を3勝した中央所属のブルーコンコルド(牡8、栗東・服部)を選出した。




メジャーなど11頭ドバイWC登録

 3月31日にアラブ首長国連邦(UAE)のナド・アル・シバ競馬場で行われる「ドバイ・ワールドカップ・デイ」で、メーンのドバイWC(G1、ダート2000メートル)にダイワメジャーアロンダイトフサイチパンドラなど11頭が登録。昨年、ハーツクライが制したドバイ・シーマ・クラシック(G1、芝2400メートル)には、昨年の豪G1メルボルンCで1、2着したデルタブルースポップロックなど10頭が登録した。