サイクロン、ゲルニカと同じ道

冬に活躍。

 フェアウェルSで強さを見せたタガノサイクロン(8)はタガノゲルニカと“同じ道”での重賞初挑戦Vを目指す

 21日の京都メーン・平安Sの注目馬はタガノサイクロンだ。昨年覇者のタガノゲルニカと同じ臨戦過程で厩舎、騎手、馬主も一緒だ。重賞初挑戦初Vでダート界の新星に名乗りを上げる。

 偶然の巡り合わせというにはあまりにも出来過ぎな気がする。厩舎、騎手、馬主が同じ。そしてダートで4連勝と昇竜の勢いで重賞に初挑戦する点まで共通するのが、昨年の覇者タガノゲルニカと今年出走するタガノサイクロンだ。

 両馬の手綱を取ってきた池添もおのずと昨年との比較になる。「タイプはゲルニカとは全く違うね。向こうは楽に先行できる馬。サイクロンは道中遊びながら走っている。それだけに、まだまだ良くなる余地がある。一歩一歩成長しているところは昨年と同じだし、身のこなしはこっちの方がいいかもしれないね」と評価する。

 デビュー戦は猛烈な追い込みが届かず2着となったが、その後のダートは4戦いずれも完勝だ。特に前走のフェアウェルSでは4角で落馬寸前になるアクシデントをものともせず、直線だけで差し切った。ダートでは全く底を見せていない。「4角でつまずいて…。普通なら伸びても入着ぐらいだろうけど、まとめてかわしたんだ。ゲートは速くないが、しまいの脚は本当にしっかりしている」と池添は前走を振り返った。




今年もジャリスコで藤沢和厩舎“鏡開き”

 関東のエース候補・ジャリスコライトが、AJC杯・G2(21日、中山・芝2200メートル)で戦列復帰する。昨春のダービー14着のあと、じっくり休養。4歳を迎える07年に向けて力を蓄えてきた。6歳までにGIを6勝したアグネスデジタルの弟。本当の勝負はこれからだ。

 ジャリスコライトは、昨春の皐月賞、ダービーを戦い抜いた唯一の関東馬。05年の朝日杯FS(3着)では1番人気に推された外国産の大器だ。順調さを欠いたため、クラシックの成績は振るわなかったが、立て直して臨む07年の飛躍に注目が集まる。

 昨年暮れに放牧から帰厩した後は、早々と目標をこのレースに設定。じっくり調整を進めてきた。「疲れがあり、ゆっくりやってきたが、ピッチが上がってきた。体は大きくなっているね。20〜30キロ増えていると思うけど、そう太い感じはない」と藤沢和調教師。480キロ程度だった馬体は、500キロ前後に成長。力強さを増した。

 再スタートにかける意気込みは、多彩な調教パターンにも感じられる。12月17日の初時計から、ウッドチップ、芝、北Cダート、坂路と、あらゆるコースで時計を出してきた。「ずっと攻めてきたし、プールにも入れてきた。徐々に良くなっているよ」と葛西助手。入念に乗り込まれ、力を出せる態勢は整っている。




充実ルージュ巻き返し

 京都メーンの平安S(G3、ダート1800メートル=21日)で、フィールドルージュ(牡5、栗東・西園)が巻き返しを期す。単勝1・8倍の断然人気に支持されたファイナルSは4着惜敗。勝ち馬とは0秒1の小差だっただけに、西園正都師(51)は「JCダートとは逆に内枠からの発走。外の馬に包まれて思うように動けなかった」と悔しがる。8枠15番を引き、外々を回らされたJCダートも0秒4差。ここ2戦はわずかな展開のアヤで勝利が逃げた形で、力負けではない。
 最近の好成績の要因に、中西調教厩務員は馬体の充実ぶりを挙げる。「体が大きくなって、月1走のペースで順調に使える」。休養前の函館戦が476キロに対し、前走は498キロ。乗り込んでの馬体増だけにすべてが成長分。今回も好調を維持しており、スムーズな競馬さえできれば好勝負は間違いない。



08年JBCは園田で開催

 16日、JBC実行委員会は08年に行われる第8回JBC競走を、11月3日(祝・月)に園田競馬場で開催することを発表した。関西地区では初のJBC開催となる。

 園田競馬場のコース形態により、クラシックはダート1870mで、スプリントはダート1400m。共にフルゲート12頭立て行われる。

 なお、今年のJBC競走は、10月31日に大井競馬場で、スプリント(ダート1200m)、クラシック(ダート2000m)がナイターで開催される。