ヴァーミリアンの石坂師「外国馬に右回り審査を

 帝王賞JBCクラシックを連勝、史上初のG18勝馬となったヴァーミリアンの勢いが止まりそうもない。ダート最強馬決定戦でV3達成なら、カネヒキリに並ぶJRAダートG13勝目。7歳の今も王者として君臨する同馬を管理する石坂調教師は、優勝を願いながらも現状のJCダートに一石を投じた。

 米国の競馬場はすべて左回り。当然、同国での出走経験しかない馬は、右回りが初めてとなる。昨年のジャパンCダート。1番人気に推されたヴァーミリアンは、米国のフロストジャイアントが1コーナーで外に大きくふくれ、その影響をもろに受けてしまった。3着だった。

 「右回りでも回れる馬であってほしい。例えば検疫の時、右回りで最内を回れる審査をすればいい。一番怖いのはアメリカの馬がいる時。気をつけて競馬をしなければいけない。力負けしたのなら仕方ないが…。邪魔をしてほしくない」と石坂調教師の言葉には実感がこもっていた。

 ジャパンCダートには、ほかにも不満がある。距離の1800メートルだ。「面白くない。芝からのスタートになってしまうからと言うけど、2000メートルでいいでしょう」。東京大賞典帝王賞といった国内のビッグレースだけでなく、世界的にも主流となっている距離での開催を望んでいる。

 まだある。ジャパンCと切り離しての開催についてだ。「アメリカ、香港、ドバイでは一日にG1をいくつもやっている」とばっさり。売り上げだけでなく、競馬そのものが盛り上がることを願っているからだ。パート1国入りした日本だが、まだ競馬先進国入りは遠いのかもしれない。