不気味なティズウェイ“怪脚”見せた

阻止できるか?

 謎の正体や、いかに?1日、第10回ジャパンカップダートで唯一の海外馬・ティズウェイ(牡4=ボンド)が阪神競馬場で最終追い。ダートコースで4F48秒2―12秒1の力強いフットワークを披露した。戦歴を見れば一発大駆けタイプ。ダートの本場からやってきた“怪脚”が大波乱を巻き起こすか。

 侮れない存在だ。11月29日に米国の超大物サマーバードが骨折。回避が決まったことで、外国馬への注目度がトーンダウンしたが、もう一頭のティズウェイが不気味な雰囲気を漂わせている。父は00〜01年のBCクラシックで史上初の連覇を果たした名馬ティズナウ。そして、この馬自身も着実に力をつけ、ホイットニーH4着、ジョッキークラブゴールドC3着。米G1での好走実績があることから、日本馬と比べても決して格下ではない。状態の良さにカンブレイ厩務員の口調も軽い。

 「米国にいた時と同じぐらい調子がいい。(馬体も)数キロ減ってはいるけど見た目には変わらない」

 先月29日に阪神競馬場に輸送されてからも環境の変化に動じることなく、落ち着き払っている。米国ダート馬らしい深めのブリンカーを着用しているものの、動きは実にスムーズ。この日はダートコースに入り、キャンターで馬場の感触を確かめた後、3角付近からキビキビとした動きで4Fを軽快に駆け抜けた。不慣れな右回りにもかかわらず、4角ではきっちりと手前を換えてラスト1Fは12秒1でフィニッシュした。

 「半マイルを48秒ほど。軽く追い切っただけだが、とてもいい感じで動けているね。体もそう減っていない」。カンブレイ厩務員は好感触を示すとともに、日本の馬場に対しても「米国より深い感じだけど、この馬には問題なさそう」と対応に自信をみせた。

 「右回りも1カ月前からトレーニングをしているし、手前の換え方もだいぶ慣れてきている」

 初勝利を挙げるまでに6戦を要したものの、約11カ月の休養を挟み、馬体に力強さが増してくると徐々に頭角をあらわした。今年8月の条件戦では、昨年のベルモントS覇者で同じティズナウ産駒ダタラに8馬身差をつける圧勝劇。全能力を発揮すれば日本のG1でも十分に通用する。

 「逃げ切るスタイルがこの馬には一番合っている。いい競馬ができれば」とカンブレイ厩務員が締めくくった。

 先行さえすれば初めて経験する16頭立ての競馬も問題ない。孤軍となった米ダークホースが、大仕事をやってのける下地は整っている。