サニーサンデー充実 精神面成長

有馬はこの馬...

有馬出走も考えた


 ビッグな“お年玉”はこの馬で―。2010年の年頭を飾る中山金杯(1月5日、中山)は、08、09年に続き、3年連続「JRAプレミアム」(通常の払い戻し金に売り上げの5%相当額を上乗せする)対象レース。注目は年が明けて4歳になるサニーサンデー。初めて古馬と対戦した休み明けの福島記念を制し、新年の飛躍が期待される東の新星だ。

 サニーサンデーは重賞初挑戦となった7月のラジオNIKKEI賞で、いきなり2着に頑張った。レース後、つめを痛めて短期放牧に出したが、谷原調教師はあせらず回復を待った。

 復帰戦は、11月の福島記念。「(ハンデの)51キロは、内心いいなと思った。実績が3歳重賞2着だけだから、あまり重くならなかったのかもしれない」。レースは、ハイペースの2番手を追走。後方から追い上げたトウショウシロッコを首差しのいで重賞初制覇を飾った。トレーナーは「初の古馬相手に強い内容。落ち着きが出てきて、折り合いがついたことが大きかった」と精神面の成長を勝因に挙げた。

 谷原師にとって思い入れの深い血統でもある。祖母サニースイフト皐月賞、ダービーを制し、2冠馬となったサニーブライアンの母。牝系は、優秀な競走馬を数多く送り出してきた一大ファミリーで、サニーアンジェリカ(4勝)、サニーネイティブ(現役3勝)など、谷原厩舎で活躍した馬も名を連ねている。

 サニーサンデー、アンジェリカ、ネイティブの3頭は、すべて丸村村下ファームの生産馬だ。「家族経営の小規模牧場だけど、すごく手をかけて、大事に馬を育てている。馬を見ればそれが分かる」と谷原師。北海道に行くと必ず足を運んでいる。

 ウッドチップコースで追われた24日の追い切りは、5ハロン65秒6―37秒2―12秒5。3頭併せで最先着するなど、抜群の動きを披露。充実ぶりを見せつけた。「前走はまだ完調ではなかった。今回、ハンデ(54キロ)は重くなったけど、そのぶん、仕上がりもずっといいからね」。

 福島記念快勝後、有馬記念出走も考えたが、「まだ3歳。来年がある」と自重。それだけに、一年後の大きな夢への一歩を、勝利で踏み出したい。