内田が武をねじ伏せた!

内田が武をねじ伏せた!

ブロッケンG1・3勝 東京大賞典


 第55回東京大賞典・交流G1(29日、大井・2000メートル)は、2番人気のサクセスブロッケン(内田)が、ヴァーミリアン武豊)とのマッチレースを鼻差で制し、2月のフェブラリーS以来、通算3度目のG1制覇を果たした。3着にはロールオブザダイスが入り、JRA勢が上位を独占。地方馬は、セレンの4着が最高だった。また、4人組女性ユニットMAXが登場した「年末ギャンブル大作戦」は、馬単(650円)が2000円的中。読者に1万3000円をプレゼントした。

 ラスト200メートルを過ぎてから、壮絶な叩き合いが始まった。外から押し上げてきたサクセスブロッケンが、先頭を走るヴァーミリアンに必死で食らいつく。その差は、なかなか詰まらない。それでも、内田の激しいアクションに闘争心を鼓舞されると、ゴール寸前で、鼻差捕らえた。

 2月のフェブラリーS以来のG1制覇に、内田の声が自然と弾む。「直線に向いてからの手応えは十分で、抜けると思った。昨年は悔しい3着に終わったので、リベンジできてよかった」。カネヒキリヴァーミリアンとの競り合いから、いち早く脱落した1年前とは違っていた。

 大井から中央に移籍して2年目でリーディングジョッキーに輝いた内田にとって、今年を象徴するシーンだった。武豊ヴァーミリアン)をねじ伏せてのG1奪取。「大井出身の騎手がJRAのリーディングを初めて取ったことで、自分の力になる。その名に恥じないよう頑張る」。武の“指定席”を奪った勢いが、騎乗に表れていた。

 藤原英調教師も、NO1騎手の手綱さばきを絶賛した。「3コーナーあたりからルメールと武が動いて、まずいと思ったけど、馬の力を信じて、ラストにかけてくれた。ちょっとやきもきしたレース内容が続いていたので、ここで結果が出てうれしい。やっと、フェブラリーSの覇者として恥じかしくないレースができた」と笑顔を見せた。

 一年の最後の戦いでトンネルから脱出。来年は、1月27日の川崎記念からGI路線を歩む。3月のドバイワールドCは、当然視野に入っているが、藤原師は「フェブラリーS(2月21日、東京)で勝たないと、招待もされない。まずは、そこを勝ってから」とキッパリ。連覇で、ダート王の座を不動のものとすることに全力を注ぐ。