国外居住馬主デビュー第1号!ノトーリアス

 世界最大の競馬グループ「ダーレー」の代表を務めるモハメド殿下(60)=UAE副大統領、ドバイ首長=の所有馬ノトーリアス(栗・安田隆、牡3、父ワイルドラッシュ)が、デビューに向けて順調に調整中だ。初陣は2月20日の新馬戦(京都、ダ1400メートル)で、鞍上は武豊騎手(40)=栗・フリー=を予定。国外居住馬主の所有馬ではデビュー第1号で、その走りに注目だ。

 1月10日に栗東トレセンに入厩したノトーリアスは、安田隆調教師も待望していた馬だ。

 「昨年の秋口から入厩の態勢は整っていましたが、資格(取得など)の関係で年明けの入厩となりました。早い時期から北海道へ厩舎スタッフが乗りに行っていましたが、先々まで成長力がありそうな印象でした」。潜在能力の高さに加え、モハメド殿下が所有する馬ということで期待もふくらむ。

 入厩後は順調にメニューを消化している。「すごく素直で学習能力が高いですよ」とトレーナーが話すように、ゲート試験は1回でパス。安田翔調教助手も「前向きな性格で雰囲気はいいです。栗東の環境にも慣れていますし、このまま順調にいってほしい」とさらに気を引き締める。

 27日には坂路でシルクロードSに出走予定の僚馬レディルージュ(牝4オープン)と併せ馬を行い、4ハロン54秒7−39秒7−12秒8(一杯に追う)で併入。格上馬に食らいつく根性も見せている。「まだ少し動きは重い感じはしますが、デビューまできっちり調整していきたいです」。トレーナーは2月20日に予定している初陣へしっかりと仕上げる構えだ。

 「(モハメド)殿下の馬ですから、いろいろな意味で注目されています。何とかいい形で迎えたいですね」

 国外居住者馬主の所有馬として先陣を切るノトーリアス。日本競馬史に新たな1ページを刻む運命の日に向けて、鍛錬は続く。