ノトーリアス 武豊で旋風だ!

 いよいよ、ドバイのシェイク・モハメド殿下が日本で馬主デビューする。JRAは昨秋、外国人馬主(本邦外居住者)を認め、4人が馬主登録したが、20日の京都4Rの新馬戦に出走するノトーリアス(牡3歳)は、世界中を席巻する殿下の所有馬だ。鞍上に天下の武豊を指名、日本参戦の幕が上がる。

 日本デビューの先陣を切るノトーリアスにかける、シェイク・モハメド殿下の意気込みがひしひしと伝わってくる。管理する安田調教師は「調教内容や使うレースは任されているが、騎手は指定してきた」と話した。指名されたのは、海外でも知名度の高い武豊だ。

 モハメド殿下は現在、デットーリと専属契約を結んでいるが、日本国内で継続的な騎乗は難しい。白羽の矢が立った日本の第一人者は、過去に93年安田記念のキットウッド(6着)や、ゴドルフィンとして参戦したハートレイクを96年京王杯SCで勝利に導いたが、「フランスではかなり乗せてもらった」そうだ。

 17日の最終追い切りは、自ら手綱を執った。Cウッドチップコースで6ハロン84秒5。ラスト1ハロン馬なりで12秒8。併せたメイショウコブシ(3歳未勝利)を4馬身もちぎってしまった。「今後、どういう方向に行くかは、レースを見てから決まると思うけど、動きは良かった。気性が素直で乗りやすい馬」とすっかり気に入った様子。

 注目の初戦は、20日の京都、ダート1400メートル戦だ。指揮官は「最初は話題先行のところがあったけど、話題に力が追いついてきた」と力を込めた。武も「シェイクが(日本で)真剣に取り組もうとしている。これだけ注目されているので、何とか新馬勝ちしたい」と意気込んだ。

 >シェイク・モハメド 1949年生まれ。60歳。UAE・ドバイの首長で、UAEの副大統領、首相。生産部門のダーレーグループ、競走部門のゴドルフィンを所有し、世界的なオーナー・ブリーダーとして知られる。02年には、ダーレー・ジャパンを設立。自身名義の活躍馬に、シングスピール(96年ジャパンC、97年ドバイ・ワールドC)、オペラハウス(93年キングジョージ)など。

 >プリンセス・ハヤ 1972年生まれ。37歳。シェイク・モハメドの第2夫人。父は、ヨルダン国王だったフセイン1世。00年シドニー五輪馬術・障害にヨルダン代表として出場。現在は国際馬術連盟の会長を務める。代表馬にニューアプローチ(08年英ダービー)、レイヴンズパス(08年BCクラシック)。

 >シェイク・ハムダン 1982年生まれ。27歳。シェイク・モハメドの次男で、ドバイ皇太子。ドバイ執行評議会の議長を務める。代表馬にイースタンアンセム(09年ドバイ・シーマクラシック)。