ハナ差でニホンピロレガーロ重賞初制覇

サマー2000シリーズ第3戦、第46回小倉記念(1日、小倉・芝2000メートル)は、9番人気のニホンピロレガーロが、バトルバニヤンとの競り合いを鼻差制し、7回目の挑戦で重賞初勝利を飾った。鞍上の酒井学騎手(30)=栗東・フリー=は、昨年の北九州記念以来の重賞勝ちとなった。

  7度目挑戦 1着が確定した瞬間、検量室に「ヤッター!」と大きな声が響き渡った。ニホンピロレガーロとバトルバニヤンの壮絶な叩き合いは、馬体がピッタリと重なったところがゴール。勝利の確信が持てなかった酒井は、緊張から解き放たれると、絶叫でストレートに喜びを表現した。

 「正直、どっちか分からなかった。みんなが『勝った』と言ってくれたけど、我慢していたぶんガッツポーズが出た」。4歳時の12月からコンビを組み続けて21戦目。ついに、重賞ウイナーへと導いた。

 夏の小倉で、またいい思い出を作った。昨年8月2日にJRA通算100勝を達成し、同16日の北九州記念では、サンダルフォンに騎乗して7年10か月ぶりの重賞制覇。相性のいい競馬場だからこそ、思い切って騎乗できた。

 近走は後方から進めることが多かったが、いつもより前の位置取り。4コーナーでは好位に取り付いていた。「積極的に運んで、無理なくついていけた。最後もいい反応。精神的に成長して、欲しかったタイトルを取らせることができた」

 次走は、新潟記念(29日、新潟)を予定。「兄のニホンピロキースが、重賞制覇の夢かなわず引退。厩舎ゆかりの馬だから、うれしい。レガーロは、新潟が本当の目標だった。次も頑張ってほしい」と服部調教師は期待を膨らませる。サマー2000シリーズの頂点へ、勢いに乗る夏男の手綱が頼もしい。