セレスハントしっかり12秒9

 コーラルS6着以来、3カ月ぶりのセレスハントは坂路単走で追い切って4F52秒2〜1F12秒9。ゴールまでしっかり動いた。松永幹師は「いい動きだったね。力は出せる状態だよ」と好感触。「得意の阪神千四ダートだし内枠でも引いてこの馬の競馬ができれば」と先行力を生かす構えだ。

池江氏 バトルバニヤンで全場重賞制覇へ

 ラストサマーに勲章を。今週の七夕賞に1つの大記録が懸かっている。バトルバニヤンが1着なら、池江泰郎師がJRA全場重賞制覇を達成するのだ。来年2月で定年、引退となる名伯楽にとって残されたチャンスは今回と福島記念(11月20日)しかない。偉業達成へ、厩舎一丸となってメモリアルVに挑む。

 記録へ向かって走れ!七夕賞のバトルバニヤンには池江郎厩舎の「JRA全場重賞制覇」が懸かる。前哨戦の福島テレビオープンで1着。約1年7カ月ぶりの美酒だった。しかも馬場入り時に放馬しての結果。担当の森田助手が苦笑いした。

 「手綱をかんでしまったのでハミが外れてしまった。でも、みんなと一緒に退避所へと走っていったので、すぐに捕まりました。中1週ですがカイバも食べていますし変わりないですよ」

 前走前から担当になったとあって付き合いは短い。だが、変化はレース前から感じていたと言う。「追い切った後、行きっぷりが変わりました。“自分から進んでいかない”と聞いていたのに、話が違うなと。以前は村本さん(調教助手)が乗っても時計が出なかったのに」。村本助手と言えば、972勝を挙げた往年の名ジョッキーだ。その腕をもってしてもスランプ時は坂路ラスト1F13秒台がやっとだったとか。これは馬の気持ちが変わったとしか表現のしようがない。

 デビュー時からここまでの姿を知る池江助手も太鼓判を押した。「ええ感じで来ているみたいやね。前から夏場に向けて良くなっていくところがあるよね」。確かに7〜9月は10走して3勝、2着2回の好成績を残している。暑い時季はこの馬にとって稼ぎ時なのだ。そして注目の記録について。池江助手は池江郎師のおいで開業当初から所属している間柄。この日不在だったトレーナーに代わり、胸の内を語ってくれた。

 「先週の競馬(ラジオNIKKEI賞でトゥザグローリーが5着)の後に“来週もある”ってコメントしてたでしょ。親方(池江郎師)がそこまで言うということは力が入っているということ。勝ってほしいね」

 先週は1番人気を背負いながら達成できなかった。今週こそ。ただならぬ闘志とともに、再び初夏の“みちのく”へ向かう。

善臣2週連続重賞V!アロマ大物の香り

 秋の飛躍を目指す3歳馬が競ったラジオNIKKEI賞・G3(4日、福島)は、ダービー出走を逃したアロマカフェ美浦小島太厩舎)が直線で抜け出して重賞初制覇を飾った。柴田善臣騎手(43)は、先週の宝塚記念に続く勝利。2着は首差でクォークスター。ダービー7着で、1番人気のトゥザグローリーは5着。

 グランプリ男の手綱がまた、さえ渡った。好スタートを決めたアロマカフェは、中団の外でじっと我慢を決め込んだ。向こう正面で1番人気のトゥザグローリーがすぐ横を勢いよく追い上げても、柴田善は動じる事なく、グッと力を蓄える。

 3コーナー手前から自然とスピードに乗り、少しずつポジションを上げて迎えた直線。鞍上の右ムチが大きくしなると、ググッと加速。見事に馬群から抜け出した。

 「ゲートをうまく出て、いい位置につけられたし、4コーナーの立ち上がりは、すごくいいリズムで走れた」。ゴール前で大外から猛追したクォークスターに首差まで詰め寄られても「脚が残ってたから」。わずかな差でも、6月27日の宝塚記念ナカヤマフェスタで制した男に、不安はなかった。

 前走の青葉賞(4着)に引き続き手綱を執った柴田は「GOサインを出せば、どこからでも出て行ける馬。前回、初めて乗ったときは、未完成な部分が多く、まだ無理する必要はないと思った。結果的にダービーの出走権を取れなかった事が良かったのかもしれない。これからどんどん良くなる」と目を細めた。一度の騎乗でパートナーの潜在能力の高さを見抜いたベテランは、期待を膨らませた。

 小島太調教師は、2勝目を挙げた前々走の山藤賞(中山)を高く評価した。「母(カリーノカフェ)が短距離馬だったから、2000メートルであの競馬(1着から5着まで鼻、鼻、鼻、首差)をしたのは大きい。まだ伸びしろはある」。力強い言葉で、成長に胸を躍らせた。

 「まずは放牧に出し、状態を見てから。(菊花賞)トライアルのセントライト記念あたりを考えて」。指揮官は万全の態勢を整え、最後のクラシックを騒がせるつもりだ。

 >アロマカフェ 父マンハッタンカフェ、母カリーノカフェ(父ハートレイク)。牡3歳の黒鹿毛。戦績8戦3勝。総収得賞金6752万5000円。重賞初勝利。生産者・北海道新冠町の浜口牧場。馬主・西川光一氏。美浦小島太厩舎所属。

武豊、復帰は小倉開幕週以降

 3月27日の毎日杯で落馬して、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折などの重傷を負い、戦列を離れている武豊騎手(41)=栗東・フリー=の復帰は、17日の小倉開幕以降にずれ込むことになった。

 来週10日からの騎乗へ向け準備をしていたが、1日に同騎手のサイドから、プロキオンS(11日、阪神)で依頼されていたマカニビスティーの矢作調教師へ断りの連絡を入れたことが分かった。

 この日更新した自身のホームページでも「ファンの皆さんには、もう少しお待たせしてしまうことになりますが、肩は着実によくなっています。本当に、もう少しの辛抱だと思っています」とコメント。万全な状態になってからカムバックすることを強調している。

タケミカヅチ死亡

出血性大腸炎、08年皐月賞2着

 08年の皐月賞2着馬で、09年ダービー卿CT・G3を制したタケミカヅチ(牡5歳、美浦・大江原厩舎)が6月30日、放牧先の宮城・山元トレーニングセンターで出血性大腸炎のため死亡した。

 同馬は、同13日のエプソムC(16着)のあと休養の目的で山元トレセンに移動。数日後にせん痛を起こしてスタッフが治療にあたったが、腸炎を発症し、30日の午前11時5分にこの世を去った。

 JRA通算成績は19戦2勝。大江原調教師は「タケミカヅチは、私にとって一番思い出のある馬です。安らかに眠ってほしいと思います」と話した。

シンメイフジが骨折

 昨年の新潟2歳S(GIII)や今年行われた関東オークス(交流GII)を制したシンメイフジ(牝3、栗東安田隆行厩舎)に、右第1指骨剥離骨折が判明したことが30日、JRAより発表された。今後、3か月以上の休養を要する見込み。

コパノジングーが出走取り消し

 JRAは24日、第51回GI宝塚記念(6月27日、阪神競馬場2200メートル芝)に出走予定だった7枠15番コパノジングー(牡5=宮厩舎)が、疾病のため出走取り消しとなったことを発表した。これにより今年の宝塚記念は17頭で争われる。